論文

学術論文を書いてみよう
学術論文を作製することは医学の発展に寄与するのはもちろんですが、医師にとってのキャリアーや助成金の獲得に必須で、効率よく社会的/経済学的恩恵を受けることができる手段でもあります(若いうちはわかりづらいかもしれませんが、、、)。
従って、症例報告は退院サマリーを書くように仕上げ論文数を増やしたいところですが、そのような離れ業が出来る神経内科医は見たことはなく、みんな苦労しているように思います。
そこで、少しでも論文を書く苦痛が緩和されればと思い、まず学術論文作製のtipsを上げておきます。
その前に、症例報告を沢山publishしている神経内科医からいただいた症例報告の意義、書き方の資料を掲載させていただきます。

論文書き方 Tips
日常診療で論文の書き方を指導されることは滅多になく、多くの上司は珍しい症例や貴重なdataを見て論文を書くように言い残すだけかと思います。しかしながら、論文には決まった書き方が存在します。5つの簡単なtipsを紹介します。
1. 似たような論文を探して、マネをする
以前の論文の文章をそのまま使用することは避けなければなりませんが、論文の構成、使用頻度の高いフレーズは覚える必要があります。意味は通っていても学術論文で使用されない言い回しを見た瞬間に違和感を感じるようになる必要があり、そのためには普段からその点に注意しながら地道に論文を読む(出来れば声を出して)ことが必要です。
間違っても、自分で日本語を英訳した文章がそのまま使用できるという根拠のない自信を持つことだけはやめて下さい!
2. わかりやすく、簡潔に説明する (Clarity)
学術論文の基本です。まず、論点を1-2つ絞って下さい。
次に、文章を書いていきますが、決して冗長にせず、簡潔にまとめ、また一切の曖昧さを排除した文章でなければなりません。図も同様に極力シンプルである必要があります。経過図など複雑で理解の難しい割に情報の少ない図を採択してくれるのは、臨床神経などの国内誌ぐらいでしょう。
同じ文章や内容のrepetitionも避けて下さい。
このことに関しては、英語が書ける書けないの問題ではなく、一生懸命考えればできることですので、この点を注意していない作製過程の論文を見せられたときには、若者の努力が単純に足りないと考えます。
3. 正確性も重要 (accuracy)
文法やスペルの間違いは決して存在してはいけませんが、内容的にもaccuracyが求められます。理論的に間違いがないかは、飛躍していないかのチェックは絶えず必要ですし、使用する用語も、より特異的な用語(例えば「真菌性髄膜炎」と書くよりは、起炎菌がわかっていれば「クリプトコッカス髄膜炎」、あるいは「白質の変化」と書くよりは「白質の脱髄」と、より特異的な用語を使う!)がないか常に考えましょう。
4. 用語を統一する (Common words)
学術論文中に使用される用語は万国共通の用語でなくてはなりません。決して、病院で使用されている内輪の用語を学術論文に書かないようにして下さい。また、例えば、脳梗塞という用語はstroke, ischemic stroke, brain ischemia, brain infarction, focal ischemia ….などなど無数にあります。論文を通して用語の統一化を図る必要があります。同じ事象を説明する用語がバラバラでは読んでいる人が理解出来ませんので、わかりやすい説明のためには使用する用語も簡潔化、共通化を図るようにしましょう。
5. 論理を伝える
Methodなどはある程度決まった書き方がありますのであまり論理を気にする必要はなく、淡々と必要事項を書けば良いかと思います。一方で、introduction, discussionに関しては、こちらの考えているロジックをうまく伝える必要があり、得られたdataから導きされる理にかなったlogical sequenceをうまく記載する方法は日本人、特に医師が最も苦手とする分野です。独りよがりの論理や説明を読者や査読者が理解することは100%あり得ません。国際的に、論理を伝える決まった方法があります。医学系ではないのですが、次の書籍がとても参考になると思います。苦手な方は是非通読して下さい。
 1. 論理が伝わる 世界標準の「書く技術」 (ブルーバックス)

最後に、過去にこれから投稿しようとしている論文と同レベルの内容があったとしても、現時点で同レベルの学術雑誌に投稿して採択される可能性は低いと考えて下さい。 過去の報告を超える内容でないと採択されないものと考えましょう。同レベルであれば、かなり雑誌のレベルを下げる必要があります。

上記のポイントを読んでも何が何だかわかりづらいと思います。このような、正確性を持った、かつ簡潔な学術論文に使用される文章をすぐに検索する手段が今はあります。以下の本は、その裏技がすぐに会得できますので、購入して読んでみて下さい。特に一番上は、学術論文の書き方ではないのですが、お勧めです。

それらの本を読めばわかると思いますが、自分の目的とする英文は主にはGoogle及びライフサイエンス辞書を使用すると効率がよいと考えられます。

本文の書き方の基本
論文作成には色々な決まりがあります、このページの論文作成に関するリンク先(特に英語 de 論文)は無料ですので、是非読みましょう。

    基本フォントは、Times New Romans
    左詰め、Double spaceが基本
    Wordで書く
    投稿先の論文とそっくりの形式で書く
    大分安く購入できるようになったEndNoteMendelyなどのcitation managerを使用する

図作製の基本

    EndNotePhotoshop (EPS, TIFF)は必須:参考サイト
    Tableはwordで(間違っても縦の棒は入れない)
    基本フォントはArial
    カラーはCMYK出力が基本ですが、RGBが可の論文もある
    投稿先の論文とそっくりの形式で書く
    極力Simpleに

英文校正
あまり、自信過剰な方以外は英文校正サービスを使用した方が良いように思います。簡単な文法上のミスは発見されますし、時によりよい言い回しをsuggestしてくれます。
ただし、校正された文章をそのまま使用することは避け、一つ一つ訂正点を吟味しながらの校正が必要です。

論文作成に有用な書籍
こちらを参照してみてください