はじめに
医学部時代から、結核性髄膜炎で上昇することが強調されています。
ADA(adenosine deaminase)は、アデノシンを加水分解してイノシンとアンモニアを生成する酵素で、リンパ系組織の分化、成熟に重要な働きをしています。人組織には広く分布していますが、リンパ系組織で特に活性が高い様です。
免疫系では、ADAはマクロファージや樹状細胞から分泌されて、CD4陽性ナイーブT細胞の増殖・分化に関連していると言われています。この様な炎症に伴うメカニズムを考えると、結核性髄膜炎に対する感度は高くとも、特異度は高くないことがわかると思います。
上昇する疾患
- 結核性髄膜炎:9 U/l以上で結核性髄膜炎が疑われ、15U/l以上では強く疑われます
- リステリア髄膜炎などの細菌性髄膜炎
- HIV感染に伴うサイトメガロ脳症
- カンジダ髄膜炎
- 悪性リンパ腫 など