Progressive ataxia and palatal tremor(PAPT)

はじめに
PAPTは律動的な1~3Hzの口蓋振戦(口蓋ミオクローヌスとも呼ばれる)に進行性小脳性運動失調を呈する稀な症候です。主には昔からGuillain-Morallet三角を形成する小脳歯状核-対側赤核-下オリーブ核経路の障害に関連すると考えられている延髄下オリーブ核(ION)に頭部MRI異常信号や肥大(olivary hypertrophy, OH)がみられます。しかしながら、OHが見られながらもGuillain-Morallet三角に病変が、少なくとも画像上は捉えられない例がPAPTには多く存在します。
逆に、OHが画像で検出された場合でも無症状であったり、口蓋振戦のみであったりしますので、PAPTの症状をきたすことは半分未満と思われます。

原因疾患
下オリーブ核腫大のみであれば多くの疾患が原因になりますが、以下はPAPT症状を伴う場合の原因疾患になります
特発性:原因がわからず特発性に分類されることが現状では最も多い
炎症性(神経ベーチェット病、神経サルコイドーシス、CLIPPERS)
血管性:dAVFの報告もあります
腫瘍性、傍腫瘍性
変性疾患:Alexander病、tauopathy、POLG関連疾患
薬剤性:メトロニダゾール

下オリーブ核肥大(olivary hypertrophy, OH)について

赤核(RN)とION(下オリーブ核)と反対側のDN(歯状核)を頂点とする三角形が、Guillain-Morallet三角と呼ばれています。このループのどこかが障害を受けるとIONの腫大が引き起こされます。J Neuroimaging. 2015;25(5):813-7.より抜粋
このようにIONがT2高信号に変化し、また腫大を伴うこともあります。

OHのMRIの経時変化 (AJNR 2000, 21 (6): 1073-1077より抜粋)
下オリーブ核のMRIの経時的な変化は、以下のような3 stepと考えられています

  1. hypertrophyを伴わないT2高信号域
  2. hypertrophyを伴うT2高信号域
  3. hypertrophyは消退し、T2高信号域が永久に残存する

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