非腫瘍性中脳水道狭窄症(LIAS、LAMO、LOVA)

はじめに
特に高齢者では、認知機能障害、失調症状、尿失禁などの症状で脳MRIを撮像した時に脳室の拡大が検出されると、症状も合わせて特発性正常圧水頭症をまず考えると思います。ですが、特発性正常圧水頭症の割に脳室拡大が強く、というよりも第三脳室や中脳水道上部も拡大していて、シルビウス裂もそれほど開いていない。。。正常圧であっても特発性正常圧水頭症ではなく、中脳水道が狭窄していることによる水頭症であろうと考えることが出来れば、この疾患に辿り着くと思います。
特発性正常圧水頭症と本疾患は、治療法が異なりますので鑑別が非常に重要です。一部は遺伝性で1歳児に好発するなど小児科疾患でもありますが、神経内科では、思春期以降で発症する場合が多いかと思います。

原因
とにかく中脳水道が狭窄あるいは閉塞することが根本的な原因です。閉塞様式としては、arachnoid websだったりadhesions(上髄帆の癒着)だったりと、画像的には表現されます。

  • 遺伝性
  • 特発性
  • 出血後
  • 感染後

症状
若年では、頭痛などの症状が多いですが、晩年に発症するタイプは正常圧水頭症様の症状(認知機能障害、失調症状、尿失禁)を呈することが多い様です。

名称と分類
中脳水道橋作症は状況によって以下の様な病名が良く使用されます

  • Late onset idiopathic aqueductal stenosis(LIAS):晩発性に中脳水道狭窄をきたした病態
  • Late onset aqueductal membranous occlusion(LAMO):arachnoid websによる狭窄(先天性も後天性もある)
  • Longstanding overt ventriculomegaly in adults(LOVA):先天的な中脳水道閉塞で、大人になってから発症する水頭症
臨床神経 2011;51:590-594より抜粋。上段のMRIでは、側脳室、第三脳室の拡大は強いですが、第四脳室の拡大はなく、中脳水道の狭窄が疑われます。下段のFIESTA画像では中脳水道の下部に膜様の構造物がみられ、中脳水道の近位部が確証しています。第四脳室も拡大が見られる場合には、Blake’s pouch cystなど他の疾患を考えていきます。

治療
狭窄している中脳水道の形成が難しい場合は、ETVが行われることが多くなってきました。

  • 第三脳室開窓術(endoscopic third ventriculostomy、ETV)
  • 中脳水道形成術(endosopic aqueductoplasty)
  • 脳室-腹腔短絡術 (V-P shunt)
第三脳室開窓術(endoscopic third ventriculostomy、ETV)のイメージ図

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