123I-MIBG 心筋シンチ

概要
神経内科領域では、主にパーキンソン病を疑ったときに施行する検査ですが、心筋梗塞などの心疾患がある場合は、もともと異常なのか、パーキンソン病だからなのか判別が難しく施行する価値は減ります。
パーキンソン病では、取り込み低下が目立ち感度は高いのですが、レビー小体病やMSAでも低下するため特異度は高くありません
あるいは、認知機能障害の場合、低下のないアルツハイマー病と、低下することの多いレビー小体病の鑑別に役立つかもしれません

検査オーダー前の注意
検査前に、ドパミン製剤を内服している場合で施行してもおそらく信頼の置けるデータは得られますが、ドプス(ドロキシドパ;ノルエピネフリンの前駆物質)内服は、MIBGでの集積を見かけより増加させてしまう可能性もあり、中止が好ましいと考えられます。
半減期約1.5時間で、内服12時間後には薬物自体はWash outされます。
その他、多くの薬剤がMIBGのuptakeに影響を与えるようです[ref]

方法
成人には、MIBG111MBqを静脈より投与し、約15分後(早期像)にガンマカメラを用いてシンチグラムを撮像します。
必要に応じて、3 – 6時間後(後期像)の心シンチグラムを撮像します

結果
心筋を取り囲む領域(H:heart)と、上縦隔(M:mediastinum)に感心領域を設定して、早期像、後期像それぞれのH/M比を算出します
H/M比:正常は約2-3程度 1.9以下は異常です
パーキンソン病では、早期像に比べ、後期像でH/M比がさらに低下します


正常な方の心筋シンチ。H/M比は保たれています。緑の四角が縦隔、赤の丸が心筋の集積を測定するROIです。

123I-MIBG
123I-MIBG(メタヨードベンジルグアニジン)はノルエピネフリンの生理的アナログで、心筋内摂取によりノルエピネフリンと同様の交感神経末端に貯留、摂取、放出動態を示します
そのため、特に心臓において交感神経の分布や、活動状態を評価することに使用されています。つまり、123I-MIBGは心筋梗塞、狭心症及び心筋症などの心疾患の局所または全体的な交感神経支配の喪失(denervation)・回復(reinnervation)を検出でき、従来の検査法では得られなかった心交感神経機能に関する画像情報が得られるとして多数報告されています。
一方で、神経疾患では下記のように自律神経障害を示す疾患で、早期像からの無集積や高度低集積を認めます

    パーキンソン病
    レビー小体病
    家族性アミロイドーシスによるニューロパチー
    多系統萎縮症:基本的には正常ですのでパーキンソン病との鑑別に用いられますが、自律神経障害の目立つタイプで集積低下したという報告もあります

など

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