頚椎症性脊髄症(CSM) 診断

概念
50歳以上の脊髄症も最も多い原因です。脊柱管断面の面積が30%以上減少すると、多くの場合脊髄症(ミエロパチー)の症状を引き起こします。脊髄圧迫因子としては以下の二つに主に分けます。

    静的因子:椎間板ヘルニア、骨棘、骨化巣による圧迫
    動的因子:頚椎の前後屈での脊髄の伸展や損傷。骨棘と黄色靭帯の折れ曲がり、上位椎体の後方へのすべり

症状
多くは徐々に進行し、階段状に進行することも多い印象があります。また、転倒など外傷を契機に症状が一段と悪化することも良く見かけます

    脊髄症:下肢の痙縮、後索障害による歩行時のふらつき、病変部以下の感覚障害など
    神経根症:上肢のしびれ感、脱力、筋萎縮、腱反射低下など
    疼痛:髄内起源の疼痛(medullary pain)、神経根性疼痛(radicular pain)、後枝内側枝起源の疼痛(軸性疼痛、axial pain)

画像
なんと行っても、MRIです。その他、ミエログラフィー、頚椎X-p、(硬膜外電極による)脊髄電位測定などを施行することもあります
MRIの所見

    T2強調画像で脊髄内の高信号(基本です)
    圧迫部位を中心にsnake-eye sign(灰白質に沿って上下髄節に進展)
    脊髄のブーメラン形あるいはバナナ形変形
    主に圧迫部位ですが、CSMノ8%程度に、脊髄背側あるいは後側方に目立つ造影効果を認め、術後の症状改善の乏しさと関連し、約60%は術後1年で造影効果が消失すると言われています

病型

    1型:脊髄中心部障害
    2型:1型+後側索部障害
    3型:3型+前側索部障害

病理

    血管系:髄内の血管は狭窄、閉塞され虚血性変化を生じます(特に分水嶺領域)、前角は脊髄中心動脈の分水嶺にあたるため、虚血に対して脆弱な部分のようです
    脱髄:直接圧迫される白質病変については脱髄変化を引き起こします
    軸索変性:一次求心性ニューロンは軸索変性の要素が強いといわれています

軸性疼痛、axial painとは?
頚椎椎間板ヘルニア、変形性頚椎症では、後頚部、肩甲骨内側部、傍脊椎部にReferred painを引き起こします。原因としては、脊椎洞神経が刺激され、神経根後枝を経て、後頚部、肩甲骨部に疼痛を引き起こすと考えられています
この、軸性疼痛では、術後の後頚部痛、肩甲部痛として訴えられることも多いようです。そのため、後頚部伸筋群の債権は重要で、C2棘突起についているSemispinalis muscle, inferior oblique muscleを温存したりなどなど色々な試みがなされています

症状との対比に必要な図(脊椎脊髄ジャーナル 2002 vol15より抜粋)
紛らわしいのですが、脊髄前角の障害部位はその前方に位置する椎体の位置よりも一髄節下になります(下図)。従って、例えばC4/5に強い前方からの突出がある場合に、神経根が障害される場合はC5が障害されますが、前角のレベルですとC6が障害されます。画像と、障害部位、障害筋、感覚障害の分布、腱反射の変化から、頸椎病変によってすべての症状が説明しうるのかを評価しなければなりません。上肢筋の髄節に関しても報告により少しvariantがあります。また、神経根の走行に関しても1髄節程度ずれることも稀にあります。

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