診断
- 脳CT:下の写真のように出血が可視化出来ていれば診断は容易です
脳MRI:脳CTでは検出出来ない出血も検出されることがあります。FLAIR、T2*、DWIは必須のシークエンスです
脳MRA、3D-CTA:動脈瘤、動脈解離の検索に必須です
腰椎穿刺:上記検査では出血が検出されない場合もあり、時に髄液のキサントクロミーの確認が必要になります
脳CT:左小脳梗塞以外に、脳幹周辺のくも膜下に出血が見られます
通常では出血性病変を検出することの出来る、T1、T2及び、T2*では検出されないこともあります。この症例では、FLAIR及びDWIでの右大脳皮質周辺の脳溝に沿う高信号が認められ、SAHと診断されました。MRAでは、M1-M2 bifurcation部に動脈瘤を認めます
脳動脈瘤の好発部位
- 内頚動脈 38% (IC-PC 25%)
前大脳動脈 36% (Acom 30% 単独で最多)
中大脳動脈 21%
椎骨、脳底動脈 5.5%
SAHの重症度スケール(WFNS 分類)
- Grade 1 GCS 15
Grade 2 GCS 14-13 で片麻痺、失語症などの神経症状を伴わない
Grade 3 GCS 14-13 で神経症状を伴う
Grade 4 GCS 12-7
Grade 5 GCS 6-3
HuntとKonsnikの重症度分類
- Grade 症状
Grade0 非破裂動脈瘤
Grade1 無症状、または軽度の頭痛と項部硬直
Grade1a 急性の髄膜刺激症状はないが神経脱落症状が固定
Grade2 中等度以上の頭痛、項部硬直はあるが脳神経麻痺以外の神経脱落症状はない
Grade3 傾眠、錯乱、または軽度の神経脱落症状
Grade4 昏迷、中等度の片麻痺、除脳硬直のはじまり、自律神経障害
Grade5 深昏睡、除脳硬直、瀕死状態