ヘパリン持続静注 治療

薬理
アンチトロンビンは肝臓で作られ血液中に分泌される糖タンパクで、トロンビン(第IIa因子、凝血反応の中核的な存在)を阻害します。
ヘパリンはアンチトロンビンIIIと結合して、その作用を促進することで抗凝固作用を発揮します。そのため、ヘパリンを使用するときには、ATIIIが正常値の70%存在することを確認します。

深部静脈血栓症、脳静脈血栓症、心房細動などの疾患で、新たな血栓形成予防のために行います。すでに、塞栓症を来たした血栓を溶解するものではありません。
投与例
ヘパリン注(未分画ヘパリン;UFH):約10,000-30,000単位/日持続静注 
(急ぐ時は、最初に5000単位静注し、以後約10,000-30,000単位/日持続静注)
(aPTT1.5 – 2倍を目標、達成するまで1日数回測定)
血中半減期は約40?90分。
副作用
出血
HIT
ヘパリン抵抗
ヘパリンには抗凝固能に対する効果の個人差があります。UFH投与量は、aPTTで1.5-2.0倍の延長を目標として調節するが、UFHの35,000単位/日以上の投与で、aPTTの治療域の下限(1.5倍以上)に達しない例を「ヘパリン抵抗」といいます。(ヘパリン抵抗を示す症例の原因精査のためのヘパリン抵抗試験は保険適応となっています)
1.ATIII低下
UFHの抗トロンビン作用は、ATIIIの存在下に出現するため、ATIIIが低下状態では作用が弱く、血中のATIIIが 60%以下に低下すると、aPTTを治療域に上昇させるために35,000単位/日以上のUFHが必要となり、ヘパリン抵抗を示します。
ATIIIの欠乏は、先天性、後天牲(敗血症、多発外傷、火傷、悪性腫瘍、体外循環)に起こり、また治療のため大量のUFHを長期間使用すると、UFHによりATIIIが消費されて低下するためUFHの使用中はATIIIの血中レベルのチェックが必要となり、ATIIIが60%以下に低下すると逆に静脈血栓の発生が増加することとなる。
2.Heparin CofactorII(HCII)低下
稀です。UFHはATIII、HCII というcofactorの存在なくしては抗凝固作用を発現しないという欠点があります。
3.顆粒球工ラスターゼ
高エラスターゼ症例では、ヘパリン投与によりATIIIが分解され、期待される抗凝固効果が得られない可能性があります。

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