SLEに伴う中枢神経障害 診断

概念
これほど、診断の難しい病態もすくないと思われます。全身性エリテマトーデス(SLE)では非常に多彩な精神・神経症状がみらるため、neuropsychiatric SLE (NPSLE) と総称されます。
抗リン脂質抗体・血管炎に起因する局在性病変や、せん妄・気分障害などの精神症状や認知機能障害が前景に立つびまん性の病態も包括されるます。 臨床症状はNPSLEにに特異的なものではないので、 診断基準は確立していません。

SLEにおける精神神経症状の分類 [ref]
この分類は精神症状の評価には優れている一方で、GBSやMGなどの独立した疾患概念が入っていることなど、まだ問題点も多いと言われています
中枢神経

    無菌性髄膜炎
    脳血管障害
    脱髄症候群
    頭痛
    運動異常症(舞踏病)
    脊髄症
    てんかん発作
    急性錯乱状態
    不安障害
    認知障害
    気分障害
    精神病

末梢神経

    急性炎症性脱髄性多発神経根ニューロパチー
    自律神経障害
    単ニューロパチー
    重症筋無力症
    脳神経障害
    神経叢症
    多発ニューロパチー

診断

    血液検査:SLEの活動性、凝固機能の評価
    髄液検査:感染症の除外、IL-6測定
    CT、MRI:MRI異常はNPSLEの54-81%に出現するとともに、他疾患の鑑別にも必須です
    脳波
    SPECT:MRIで異常がなくとも、変化を捕らえることもあります

鑑別
中枢神経感染症、静脈洞血栓症、PRES、薬物中毒、内服薬の副作用等々
参考:SLE診断基準
 (1997年改訂基準 アメリカリウマチ協会)

1.顔面(頬部)紅斑
2.円板状皮疹(ディスコイド疹)
3.光線過敏症
4.口腔潰瘍(無痛性で口腔あるいは鼻咽喉に出現)
5.非びらん性関節炎(2関節以上)
6.漿膜炎
 a)胸膜炎、または、b)心膜炎
7.腎障害
 a)0.5g/日以上または+++以上の持続性蛋白尿、または、b)細胞性円柱
8.神経障害
 a)けいれん、または、b)精神障害
9.血液異常
 a)溶血性貧血、b)白血球減少症(<4000/μl)
 c)リンパ球減少症(<1500/μl)、または、d)血小板減少症(<100,000/μl)
10.免疫異常
 a)抗二本鎖DNA抗体陽性、b)抗Sm抗体陽性、または、c)抗リン脂質抗体陽性
  1)IgGまたはIgM抗カルジオリピン抗体の異常値、
  2)ループス抗凝固因子陽性、
  3)梅毒血清反応生物学的偽陽性、のいずれかによる
11.抗核抗体陽性

上記項目4項目以上を満たす場合全身性エリテマトーデスと診断する

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