参考サイト
1. 日本血栓止血学会
ヘパリン(未分画、低分子分画を問わない)投与中に血小板が低下する病態で、少量のヘパリン投与であっても急激に血小板が減少することがあります。I型、II型があり特にHIT抗体の関与するII型の場合、速やかなヘパリンの中止、及び治療(アルガトロバンへの変更など)が必要です。DICのように血栓傾向が強まり、動静脈血栓症を引き起こします。
HITの分類
I型 | II型 | |
---|---|---|
発 症 | ヘパリン投与2〜3日後 | ヘパリン投与5〜14日後 |
機 序 | 非免疫的機序 | ヘパリン依存性抗体の出現 (主に抗PF4・ヘパリン複合体抗体) |
血小板数 | 10?20%の減少 | 15万/μl以下の減少、50%の減少 |
合併症 | 無し | 動静脈血栓(心、脳、下肢、肺) |
頻 度 | 約10% | 0.5-5.0% |
経 過 | ヘパリン継続可能、自然に回復 | ヘパリンの中止で速やかに回復 |
治 療 | 不要、基礎疾患により?型に準ずる対応 | 代替薬による抗凝固療法の継続 |
診断
ヘパリン投与時はいつでもこの病態は念頭に置き、定期的な血小板の測定をしてください。確定診断は主に下記の検査のうち2.が用いられることが多いようです。
1.ヘパリン惹起血小板凝集法(Heparin-induced platelet aggregation)
2.抗ヘパリン・PF4複合体抗体(HITにおける本抗体の陽性率は85〜90%)