脳血管障害 診断

脳卒中治療ガイドライン 2009:書籍

脳卒中のお勧め教科書

診断基準と診断の進め方
脳卒中は、急性の発症で数日以内にピークを迎える病気で、その責任病巣により症状は様々です。受診された患者が以下のどの病型に当てはまるのか、下記の検査結果を参考に病型診断を進めることが治療法選択に重要です。
特に脳梗塞の病型診断(心原性脳塞栓、アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞、その他)は難しく、病歴聴取、既往症、CT、MRI、エコー所見からすばやく類推し治療法を決定します。
脳血管障害の分類
脳血管障害の分類(臨床病型)
 a)無症候性 Asymptomatic
 b)局所性脳障害 Focal brain dysfunction
1) 一過性脳虚血発作 Transient ischemic attacks (TIAs)
2) 脳卒中 Stroke
 c)血管性痴呆 Vascular dementia
 d)高血圧性脳症 Hypertensive encephalopathy

脳卒中の分類
a) 時間経過(Temporal profile)による分類
 1) 改善型 Improving
 2) 増悪型 Worsening
 3) 安定型 Stable stroke
b) 病型(Types of stroke)による分類
 1) 脳出血 Brain hemorrhage
 2) クモ膜下出血 Subarachnoid hemorrhage (SAH)
 3) 動静脈奇形からの頭蓋内出血
 4) 脳梗塞 Brain infarction

脳梗塞の分類
a) 機序による分類
 1) 血栓性 Thrombotic
 2) 塞栓性 Embolic
 3) 血行力学生 Hemodynamic
b) 臨床病型による分類
 1) アテローム血栓性 Atherothrombotic
 2) 心原性塞栓性 Cardioembolic
 3) ラクナ Lacunar
その他 Others

鑑別診断
病型診断は難しいのですが、他の疾患との鑑別は、下記に従い、診断、検査を進めていけばあまりなやむ症例はありません。とにかく動脈還流領域に一致した病変かどうかですね。

検査
至急行うべき検査は、一般採血、検尿、動脈血ガス、心電図、胸部X-pなどのルーチン検査の他に、凝固線溶系マーカー(PT-INR, APTT, PF4, D-dimer)も測定します。
頭部単純CT(至急)
脳血管障害を疑った際に、まず行う検査です。梗塞巣は発症から24時間程度で描出されるが、発症から6時間までの、いわゆる超急性期にもCTで異常をとらえられることもあり、early signと呼ばれています。
early sign:レンズ核陰影の不明瞭化、皮質-髄質境界の不明瞭化、脳溝の不明瞭化、閉塞動脈に一致した高吸収域

MRI、MRA:必須sequence(T1, T2*, FLAIR, DWI, ADC画像)
T2 強調画像では、発症から約6時間以降であれば脳梗塞を診断することがで、またCTでは診断が難しい脳幹、脊髄の梗塞巣の診断も可能です。さらに、拡散強調画像では、発症後約2〜6時間以内で脳虚血を画像として検出できます。
また、脳梗塞の既往をもつ症例においてはT2強調画像では複数の高信号域が描出され責任病巣を同定できないことがありますが、拡散強調画像では、新鮮な病巣のみが高信号域(ADC値低下)となるため新しい梗塞と陳旧性梗塞を区別することができます。

頸動脈エコー、経頭蓋ドプラエコー、経胸壁、経食道心エコー
脳血管障害、特に脳梗塞の診断に対する超音波検査法は、心原性脳塞栓、アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞の鑑別、分類不能の脳梗塞症例の一部に見られる奇異性脳塞栓症の診断、頸動脈の動脈硬化の変化などを経時的に観察することができます。

場合によって、脳血管造影、脳SPECT、脳波を行う。

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