アテローム血栓性脳梗塞 治療

脳卒中治療ガイドライン 2009:書籍

治療概要
血栓溶解療法の適応がある場合には速やかにrt-PAの投与を行います。主幹動脈にアテローム血栓による狭窄病変を有する本病型では、発症早期の神経症状悪化を呈する症例(early neurological deterioration; END)も多く、しっかりとした抗血栓療法を行った方が良いと思います。
つまり、rt-PA非適応例の急性期治療として最もエビデンスレベルの高いアスピリン(推奨グレードA)に加え、アルガトロバン(推奨グレードB)の追加、さらにはスタチン追加が望ましいと考えられます。また、血行力学的な機序が考えられる場合は、低分子デキストランなどの血漿増量薬の投与により神経症状の改善を認めることがありますが、十分な科学的根拠はないようです(グレードC1)。
脳保護薬としてのエダラボン及び、脳浮腫の強い場合のグリセロールや開頭外減圧術の施行に関しては心原性脳塞栓症と同様です。
また、内頚動脈などの主幹動脈狭窄病変はしっかりチェックして、外科的治療の適応を判断することも重要です。

急性期治療
アスピリン:抗血小板療法

110-300 mg/日の経口投与は、発症早期(48時間以内)の脳梗塞患者の治療法として推奨される。
処方例:バイアスピリン2T1x 7日間投与後、1T1Xで維持
アルガトロバン(ノバスタン):抗凝固療法
発症48時間以内のアテローム血栓性脳梗塞に選択的トロンビン阻害薬のアルガトロバンが推奨される。
処方例:初めの2日間(ノバスタン注10mg 6A(60mg)を持続静注)、その後5日間(ノバスタン注10mg 1A+生食100ml 1日2回)
オザグレル(キサンボン):抗血小板療法
オザクレル160 mg/日の点滴投与は、急性期(発症5日以内)の脳血栓症患者の治療法として推奨される。
処方例:キサンボン注20mg 4A(80mg)+生食100ml (1日2回)14日間
エダラボン(ラジカット):脳保護剤
発症24時間以内の各種病型の脳梗塞に対しフリーラジカルスカベンジャー(ラジカット)の投与が推奨される。
処方例:ラジカット注30mg 1A+生食100ml(1日2回)14日間
注)eGFR<30あるいはCr>1.5と腎障害が強い場合は、効果が乏しく腎障害、肝機能障害が強く出る可能性が高いため、使用を控えてください

慢性期治療
1. 抗血小板療法

    アスピリン:バイアスピリン1T1X
    プラビックス
    プレタール

以下にアテローム血栓性とはいえ、再発予防としてのアスピリンとプラビックスの併用は、出血リスクが高くなるため、ステント留置などの特殊な状況がある場合以外は推奨されません。

2. 外科的治療
内頚動脈狭窄に対して
  頸動脈内膜剥離術(CEA)
  ステント留置術(CAS)
中大脳動脈狭窄に対して
  バイパス術(STA-MCAなど):広範な脳梗塞がなく、脳血流予備能がStageIIと低下している場合に適応
  ステント留置術は、積極的内科治療を上回る効果は認められていません

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