ビタミンB12欠乏症 診断

はじめに
胃切除後、萎縮性胃炎、ピロリ菌感染、吸収不良症候群、寄生虫感染症、アルコール多飲、摂取不良などにより血中のVitB12が低下すると、巨赤芽球性貧血(悪性貧血)、ハンター舌炎などを引き起こしますが、神経系では亜急性連合性脊髄変性症及び時に認知症を引き起こすことで有名です

神経症状
主には、後索、側索障害症状なのですが、、、他の症状も比較的よく見かけます

    後索障害症状:深部感覚障害、ロンベルグ徴候陽性など
    側索障害症状:四肢DTR亢進、痙性対麻痺など
    認知機能障害:結構頻度は高いようです
    自律神経障害:OH、便秘など
    末梢神経障害:Subclinicalな例が多いと思います

検査

    血液検査:血算、VitB12、B1、B6、VitE、ホモシスチン、メチルマロン酸、葉酸、抗内因子抗体、抗胃壁抗体、抗HP抗体など
    GF:萎縮性胃炎の有無
    頚髄胸髄MRI:後索に淡く高信号が特に頚髄によく見られます。稀に、側索の高信号も
    NCV、SEP、MEP
    脳MRI、SPECT:認知機能障害がある場合は施行しましょう
    Head-up tilt testなど:OHがある場合には施行しましょう

神経組織におけるビタミンB12について
Methionine synthesisは(MeB12)はMethionine代謝と葉酸代謝の接点に関与しHomocysteineからMethionineの補酵素となっているため、ビタミンB12欠乏ではHomocysteineが上昇します(下図)。また、ビタミンB12欠乏は葉酸代謝と共役したDNA合成異常の原因となります。
中枢神経系では主に、血中からニューロンに移送されるにはBBBが存在している為、生理的濃度下ではastrocyteを経てニューロン軸索に運ばれると言われています。
また、ビタミンB12欠乏→メチルマロニルCoAムターゼ反応低下→異常脂肪酸の産生→ミエリン産生低下という回路も考えられていますので、メチルマロン酸の上昇とともに、ビタミンB12は髄鞘形成において重要な役割を担っています。脊髄では頚髄、胸髄、腰髄の順にB12含量は高値であること、運動神経系では感覚神経系よりB12は高値であることが知られていて、「頚髄後索の脱髄性病変が主体」という特徴を一部裏付けることができるのかもしれません。

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