MS 画像
4月 12th 2008 12:57 am
MSの診断に対するMRIの特異性は低いものの、感度は90%以上と高く、MSの典型的かつ特徴的なMRI画像の理解は、診断にとても重要です。
脳MRI画像
MSの脱髄病巣は、通常は側脳室の体部と三角部に近接した脳室周囲の白質に存在し、側脳室周囲の脱髄巣は特徴的には脳室表面に長軸が垂直な卵形を示し、慢性の脳室周囲の脱髄巣はしばしば融合します。
また、脳幹、小脳半球、中小脳脚などにも出現します。病巣は辺縁が明瞭な場合が多いものの、急性期などで周囲の浮腫性変化を伴っている場合は周辺が不明瞭となることもあります。
急性期、慢性期いずれの場合もT2強調画像において高信号を呈し、慢性期にも持続するT1強調画像での高度な低信号病変は、より組織損傷が高度であることを示唆します。
MSによる急性の病変は、ガドリニウムによる増強効果を示し急性病変(再発した!)を意味します。中でもリング状の増強効果は腫瘍や膿瘍との鑑別が問題となりますが、脱髄疾患は腫瘍や膿瘍とは異なり、リング状のCEは灰白質に面した部分が欠けているという特徴を持つと記載されています。
さらにMSでは、他の疾患ではあまり見られない比較的特異的な病変として、「皮質下U-fiberの病変」及び、「脳梁病変」が見られ、特に皮質下病変はMcDonaldの診断基準でも重要性が強調されています。U-fiberの病変はFLAIR画像、脳梁病変は矢状断の撮像を行うことにより検出が容易になます。
脊髄MRI
病巣周辺の腫脹はないか、あってもわずかの場合が多く、病巣はT2強調画像で高信号を呈し、急性期にはCEを示すことが多く、頸髄病変が胸髄病変よりも頻度は高くC4-C6の領域が最も高頻度です。
McDonaldらの提唱した診断基準では、T2強調画像にて少なくとも3mmの長さが必要だが、2椎体を超えることはなく、病変はcross sectionでは脊髄の一部であって、全体であってはいけないと記載されています。
しかしながら、日本人に多い視神経脊髄型MS (optic-spinal form of MS:OS-MS)ではむしろ長軸方向に数椎体分の広がりを示すのが特徴であって、日本人に多いOS-MSの特徴の理解が必要とされる。
単一病変
MSでは時にTumefactive MS lesionと呼ばれる単一の巨大な病変が認められ、腫瘍、感染性の疾患との鑑別が問題となる場合があります。
拡散画像
脱髄巣は、しばしば拡散強調画像(diffusion-weighted imaging)で高信号を示し、ADC (apparent diffusion coefficient) 値の測定では正常の白質に比べ上昇する。さらに、急性の脱髄巣はADC値が低下するとされ病期により変化する組織変化を反映すると考えられています。
拡散テンソル画像 (fractional anisotrophy: FA)では、conventional MRIでは信号異常のとらえられないMS症例の白質 (normal-appearing white matter)で、プロトンの異方性が低下し正常健常人に比べFA値が低下すると報告されています。