脊髄梗塞 診断

概念
脊髄梗塞は、脳梗塞の脊髄版のようなものですので、もちろん多くは急性発症で、脊髄障害を起こす疾患です。脳梗塞と比較すると、頻度は低いのですが、その理由として、脊髄動脈波脳動脈と比較してアテローム硬化が少なく、また脊髄の血管は動脈間の吻合が豊富で、これが側副血行路として働くためとされています。

原因
脳梗塞と同様に、アテローム硬化/血栓症などによる脊髄動脈の閉塞が原因となりますが、大動脈解離、大動脈の手術など大動脈疾患に関連するものの頻度が高いようです。また、原因がはっきりしない場合もよく見られます

    Syphilis
    Hypercoagulability
    Giant cell arteritis、Polyarteritis
    Sickle cell anemia
    Intervertebral disc herniation
    Temporary cervical subluxation
    Mitral valve disease and multiple emboli
    Atherosclerosis of aortic vessels and branches
    Hypotension
    Cardiac arrest
    Traumatic rupture of aorta
    Fibrocartilaginous embolism
    Dissection of ascending aorta
    Angiography
    Therapeutic renal artery embolization
    Surgery for aortoiliac occlusive disease

症状
とにかく、急性発症であることが重要です。しかし、5%程度は進行が数日単位で見られることもあり、その場合は脊髄炎やDural AVMなどとの鑑別をしっかり行わなくてはなりません。また、脳梗塞と同様に虚血部位により症状がことなります

    前脊髄動脈症候群
     対麻痺:もちろん錐体路症状は陽性ですが、急性期は深部腱反射が低下する場合もあります
     解離性感覚障害:深部感覚が保たれます
     膀胱直腸障害
     背中の痛み:椎体梗塞による??
    後脊髄動脈症候群
     病巣部以下の深部感覚優位の障害
     深部反射の低下/消失
     膀胱直腸障害
    分水嶺領域
     これは、脊髄中心部に虚血が出現します

検査

    血液検査:凝固能、梅毒、炎症所見など
    胸腹部造影CT:解離性大動脈瘤の検索
    脊髄造影MRI:T1、T2、脂肪抑制T2、可能ならDWI、Dural AVMとの鑑別のため造影T1も。また、線維軟骨塞栓症の可能性を考えて、椎体や椎間板をしっかりと観察することは非常に重要です。

spinal-cord
左:下部胸髄から円錐部にかけて腹側(前脊髄動脈領域)に高信号をみとめます。時々、椎体の梗塞のためか、椎体の異常信号を認めることもありますが、本例では認めません
右:脊髄腹側に高信号を認めます。赤い矢印は大動脈ですが、本例では異常を認めません

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください