多巣性運動ニューロパチー(Multifocal Motor Neuropathy : MMN) 治療

慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー、多巣性運動ニューロパチー診療ガイドライン〈2013〉

病態的には免疫学的機序が想定されているものの、不思議なことに、ステロイド、血漿交換療法の有効性は証明されていないばかりか、症状を増悪させ得ることもあります。主に使用されるのは、以下の二つです。この中で、有効性が確立され,保険適応を受けている免疫グロブリン大量静注 (IVIg) 療法を第1選択とすることが多いようです。しかしながら、IVIgの効果は持続性に乏しいこと、そのため、反復投与やその他の免疫抑制薬を併用することが多いのですが、治療継続にもかかわらず筋力低下は緩徐に進行することがあるなど、問題点が山積みです。

急性期治療
基本的には、四肢の筋力低下はIVIgにより改善します。IVIgに反応性を示す要因として、発症早期、若年発症、罹患肢が少ないこと、血清CK値が180 U/L以下、筋萎縮を欠くこと、などが報告されています。基本的には、イディオタイプ抗体活性による自己抗体(IgM-GM1抗体など)の中和、マクロファージFc受容体の飽和、補体活性化経路の抑制、B細胞の抗体産生抑制、刺激性T細胞の活性化など、免疫応答を調整すると推定されているものの、おそらくaxonal membraneのhyperexcitabilityの抑制など「機能的」な、調整作用も強いものと思われます。
1. 免疫グロブリン大量静注療法
2. 免疫グロブリン皮下注射療法(subcutaneous immunoglobulin, SCIg)
IVIgを自宅で行うための方法です。静注療法と同等の効果が報告されています。皮下注射製剤は、IgG濃度が緩徐に上昇することでIgG濃度依存性の副作用が減少するかもしれません。

維持療法
IVIgにより筋力低下は改善しますが、その効果は長くても数ヶ月と思われます。その為、以下のような免疫抑制剤などを併用し、なるべく定期的なIVIgの投与期間を延長する試みがなされます。

仕様が推奨されないもの

    1. ステロイド:有効でない、あるいは症状を増悪させるという報告が多くあります
    2. 血漿交換療法:有効性は証明されていません。逆に、増悪したとの報告もあります
    3. Infliximab:CochranではMMNを引き起こす副作用から仕様が推奨されていません

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