心原性脳塞栓症 診断

はじめに
心臓から何らかの塞栓物質が飛び脳の血管を閉塞して、多くは突発発症する脳梗塞です。心房細動を代表とした原因となる心疾患が決まっています。
TOAST分類ESUSの原因となる心疾患を参考に、原因となる心疾患を証明する必要があります。時には、経胸壁心エコーや病棟の持続心電図モニターだけでなく、経食道心エコーで卵円孔開存の有無を検索したり、植え込み型心電計を用いて心房細動を積極的に探す必要があります。
ただし、心疾患を見つける前にもう1つ重要なことがあります。心臓から脳梗塞病変を結ぶ主幹動脈に50%以上の狭窄病変がないことを確認し、アテローム血栓性脳梗塞を100%否定する必要があります。

TOAST CES
TOASTでは以下のように分類されます(TOAST分類の詳細は>こちら

代表的な心疾患は以下のようなものです
心房細動、心内血栓、洞不全症候群、持続性心房粗動、ペースメーカー植え込み例、機械弁、体外循環使用例、1か月以内の心筋梗塞、EF<30%の低心機能(慢性心不全)、陳旧性心筋梗塞でEF<28%、拡張型心筋症、リウマチ性弁膜症、卵円孔開存+下肢静脈血栓症(奇異性脳塞栓症※)、非感染性血栓性心内膜炎(Nonbacterial thrombotic endocarditis:NBTE)、左房粘液腫、乳頭状弾性線維腫、感染症心内膜炎

検査
多くの場合、原因は非弁膜症性心房細動です。特に発作性心房細動は、左房のリモデリングである左房径の拡大(LAD)や、BNPの上昇が見られることが多く、iPABスコアなどにより辺りをつけるのも有用です。

  • 血液検査:BNP、D-dimerなど凝固線溶系マーカーも
  • 脳MRI、CT:もしも梗塞病巣が両側大脳半球に見られるなど、1つの主幹動脈の還流領域を超えて見られる場合には、心原性あるいは大動脈原性の可能性が高くなります。
  • MRA、頚動脈エコー、頚部血管3DCTA:アテローム病変が梗塞病変と心臓を結ぶルートにないことを証明することは本病型の診断に必須です
  • 心エコー:左房径の大きさは少なくとも把握しましょう。また、EFが低い場合も心原性脳塞栓症の原因となります。経胸壁心エコーで原因となる心疾患が見つからない場合は、経食道心エコーも考慮しましょう
  • ホルター心電図
  • 植え込み型心電計
  • 下肢静脈エコー:奇異性塞栓症が疑われる場合
CES MRI
心原性脳塞栓の脳MRI
拡散強調画像(左)、T2強調画像(右):右側頭葉皮質を含み、中大脳動脈領域に虚血病巣を認めます。DWIでは、信号強度は一様に上昇していて、このようなパターンは心原性脳塞栓でよく見られます



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