薬剤性パーキンソン症候群 診断

重篤副作用疾患別対応マニュアル:下段の薬剤性パーキンソニズムのPDFを熟読されてください

症状
ドーパミン拮抗作用のある薬剤 (抗精神病薬や抗うつ薬、制吐薬など)が原因となりますが、ドーパミン受容体のうちD2受容体が80%ブロックされると症状が出現します。とにかく、薬剤開始と症状出現の関係を把握するための病歴聴取が重要です。
以下が特にパーキンソン病と対比した場合の臨床症状の特徴です。

    服用後数日から数週間で発症することが多く、パーキンソン病よりも進行が早い。
    パーキンソン病と異なり左右対称性に症状が発現する傾向があり、姿勢時、動作時振戦(パーキンソン病は安静時)も出現しやすい。
    女性・高齢者で起こりやすく、同じ薬剤なら服用量が多いほど起きやすく、ジスキネジアやアカシジアといった不随意運動を伴いやすい。

下記が原因となる薬剤ですが、すべてを記載していません。詳細は重篤副作用疾患別対応マニュアルの薬剤性パーキンソニズムのPDFを参照にしてください。

1. フェノチアジン系

    クロルプロマジン(ウィンタミン、コントミン、ベゲタミン)
    レボメプロマジン(ヒルナミン、レボトミン)
    プロクロルペラジン(ノバミン)
    プロペリシアジン(ニューレプチル)

2. ブチロフェノン系

    ハロペリドール(セレネース、ネオペリドール、ハロステン、リントン、レモナミンなど)
    ブロムペリドール(インプロメン、プリペリドール、ルナプロン、メルカイック)

3. ベンザミド系

    スルピリド(ドグマチール、アビリット、ベタマック、マーゲノールなど)
    チアプリド(グラマリール、グリノラート、チアラリードなど)

4. 非定型精神病薬

    オランザピン(ジプレキサ)
    リスペリドン(リスパダール)
    クエチアピン(セロクエル)
    (クエチアピンは他の抗精神病薬に比べて副作用が出にくいといわれており、パーキンソン病における幻覚や妄想などの精神症状に対しても使用されている)

5. 三環系抗うつ薬

    イミプラミン(トフラニール)
    アミトリプチリン(トリプタノール)
    アモキサピン(アモキサン)

6. 四環系抗うつ薬

    マプロチリン(ルジオミール、マプロミール、ノイオミールなど)
    ミアンセリン(テトラミド)

7. その他の抗うつ薬

    パロキセチン(パキシル)
    フルボキサミン(ルボックス、デプロメール)
    ミルナシプラン(トレドミン)

8. 消化性潰瘍薬

    ラニチジン(ザンタック、ザメック、セオトタック、ツルデックなど)
    スルピリド(ドグマチール、アビリット、ベタマック、マーゲノールなど)

9. 制吐薬

    メトクロプラミド(プリンペラン、テルペラン、ネオプラミールなど)
    オンダンセトロン(ゾフラン、オンダンセトロン)
    ドンペリドン(ナウゼリン、セロベース、ダリックなど)
    (ドンペリドンは比較的副作用の発現頻度が低いため、抗パーキンソン薬の主な副作用である悪心・嘔吐に対して用いられる。これに対して最も一般的な制吐薬であるメトクロプラミドは、副作用発現頻度が高いためほとんど禁忌となっている)

血圧降下薬

    レセルピン(アポプロン、ベハイド)は中枢性血圧降下薬であるが、その作用機序がシナプスのドーパミンを枯渇させるというものであるため、本来の作用としてパーキンソニズムを誘発しやすい。

その他

    頻尿改善薬
    免疫抑制剤
    抗がん剤
    認知症治療薬
    抗てんかん薬

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