ラクナ梗塞 診断

概念
ラクナ(lacune)とは「小さな空洞」という意味で、1838 年 Dechanble が剖検脳で初めてこの言葉を用いた とされているようです。基本的には、15mm以下の大きさの脳梗塞で、高血圧との関与が強いことが有名です。同様に脳出血に関しても、穿通枝の波状により引き起こされますのでラクナ梗塞と高血圧性脳出血は表裏一体です(下図)。
lacunar picture
Nat Rev Neurol. 2013 Mar;9(3):174-8.より抜粋

症状
診断は、各種検査により主幹動脈の狭窄がなく、心原性脳塞栓の原因疾患もなく、脳MRIにて単一の1.5cm以下の病変を認め、ラクナ症候群を呈した場合に確定診断可能です。同様な小さな病変は、主幹動脈からの分岐部に存在するアテローム硬化病変(branch atheromatous disease: BAD)、Artery to arteryによる微小塞栓、穿通動脈の小粥腫によっても生じ得ます。
古典的ラクナ症候群は以下の4つです

    pure motor hemiplegia
    pure sensory stroke
    ataxic hemiparesis
    dysarthria- clumsy hand syndrome

TOASTでは以下のように分類されます(TOAST分類の詳細は>こちら
TOAST small vessel

検査

    血液検査:BNPやD-dimerなど凝固線溶系マーカーも
    脳MRI、CT
    MRA
    頚動脈エコー、頚部血管3DCTA
    心エコー
    ホルター心電図

small vellse2

TOASTでは、Small vessel occlusion(≒ラクナ梗塞)は、1.5cm以下の皮質下あるいは脳幹病変と定義されています

病理
持続性の高血圧により、BBB破錠、内皮細胞の肥厚、肥厚した血管壁への血漿蛋白の沈着、などが起こり、結果として、血管壁に膠原線維が増加して血管内腔が狭窄します。この状態が進行すると、穿通枝遠位部に血管壊死、血管壁はより均質で組織学的構造を失った細動脈硬化(リポヒアリノーシス)と呼ばれる病態になり、ラクナ梗塞の原因と考えられています。

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