リウマチ性髄膜炎 診断

概念
リウマチ性髄膜炎(Rheumatoid meningitis)は関節リウマチの稀な合併症で、髄膜あるいは硬膜にリウマトイド結節を伴う炎症を引き起こします。長期罹患患者の増加・画像診断の進歩とともに報告例が増加しています。
この疾患のMRI画像は比較的特長的ですので、覚えておいて損はないと思われます。

疫学

    年齢は50?80歳代
    RAの罹病期は非常に早期か長期罹患例が多く、52%が15年以上
    全身の関節炎の活動性と相関は必ずしもしないため、安定期や活動性が消失してリウマチ因子が陰性化した症例も報告されています

症状

    一般的な硬膜炎、髄膜炎の症状を呈します
    頭痛、痙攣、精神症状、脳神経症状、片麻痺、単麻痺など

検査

    血液学的検査:好中球優位の白血球上昇、血沈・CRP上昇、リウマトイド因子の上昇、RAHAの上昇、補体の低下、時にANCA陽性、抗CCP抗体陽性例があり
    髄液検査:細胞や蛋白上昇、TNF-α、IL-1β、IL-6の上昇
    脳波:全般的な徐波化、突発波
    単純CT:脳溝の不鮮明化
    脳MRI:クモ膜、硬膜が主には局所的にFLAIR画像で高信号、同部位の一部がDWIで高信号、Gd増強効果あり
    FLAIRで高信号域の一部が拡散強調画像で高信号となることが特徴的で、限局性に惹起された炎症が高蛋白質な成分(比較的高密度な細胞成分)が一部に含まれるためとも考えられています
    生検:確定診断には必須ですが、リウマトイド結節がうまく見られる例の方が少ないようです。また、肉芽腫性病変を得られても必ずしも特異的ではないため、結核との異同が問題となります。硬膜炎、髄膜炎の鑑別を適宜行ったうえで、生検をせずステロイドの反応を見るのも一つの方法です

rameningitis
FLAIR画像(左)では、硬膜、髄膜が高信号を示していて、拡散強調画像(DWI;右)では、FLAIR高信号の部位の一部がPatchyに高信号を示します。ここでは示していませんが、造影MRIではFLAIR高信号領域の少なくとも一部は造影されることが多いようです

クモ膜下腔がFLAIRで高信号となる疾患の鑑別
上記の画像のようにクモ膜下腔がFLAIRで高信号となる疾患は以下のようなものがあります

    クモ膜下出血:出血なのでCTで高吸収となる
    硬膜下膿瘍:DWIでFLAIR病変全体が高信号
    リウマチ性髄膜炎:DWIでFLAIR高信号領域の一部のみが斑状に高信号(patchy high intensity)
    癌腫症:Gd造影パターン(リウマチ性髄膜炎は経時的にもpatchyとなる)
    梗塞:皮質が高信号となりクモ膜下腔では血管が高信号となることがあるので、ADC低下・MRA所見で鑑別します
    破裂類皮嚢腫:Gd造影パターン

病理
病因は未だ不明ですが、病理学的所見としては、軟膜の血管周囲の炎症細胞浸潤・壊死性肉芽腫・リウマチ結節の3所見の報告が多いようです。
リウマチ結節がつかまれば、殆ど診断は確定ですが生検ではなかなかつかまらないことも多いようです
特に硬膜・軟膜の血管を中心とした中枢神経の血管炎を本態とする報告も見られますが、硬膜炎と軟膜炎で病理像に違いはないため、炎症の首座の違いの理由も明らかではありません

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