Neuromyelitis optica 診断

はじめに
球後視神経炎と多椎体に渡る急性横断性脊髄炎がほぼ同時か,1-2週間の間隔で生じるタイプの中枢性炎症性疾患は日本人に多いことが以前より知られています。以前は多発性硬化症の病型の一つと考えられていた時代もありましたが、主には多発性硬化症の障害targetとなるミエリンとは異なり、アストロサイトのAQP4(アクアポリン4)に対する自己抗体が発見されたこともあり全く別の病気と考えられます。
血清抗AQP4抗体、抗NMO-IgGの測定はともに保険診療対象外ですが、免疫性神経疾患に関する調査研究班を参考にしてください。同様に血清抗AQP4抗体が上昇する、シェーグレン症候群、SLEなどの膠原病もチェックしましょう。鑑別診断のためでもありますし、特にシェーグレン症候群合併の頻度が高いことも知られています。
AQP4やSS-Aなどどのような関連が実際にあるのか、興味深いですが、今のところunknownです。

概念
AQP4やNMOIgGといった自己抗体により、主にアストロサイトの障害を来す疾患です。視神経、脊髄に病変を来すことが多いのですが、まれに大脳白質、視床下部(ナルコレプシー、自律神経障害など)、中脳水道周囲、延髄に限局した病変(最後野の障害による吃逆など)や可逆性白質脳症(PRES)、tumerfactive lesionなどを来すこともあり、NMO spectrum disorderと呼ばれています[参考]
鑑別診断

    Dural AVMや脊髄梗塞
    神経ベーチェット
    悪性腫瘍の転移
    など

検査

    血液検査:NMO IgGのうち、AQP4抗体が陽性になる頻度が高く必須の検査です(東北大学で測定可能です)。AQP4抗体が陰性の場合にはMOG抗体の測定を考慮します。
    髄液検査:オリゴクローナルバンドが陽性となる頻度はMSと比較すると低いと言われていますが、蛋白の上昇、細胞の軽度の上昇を認めることが急性期はよくあります
    眼科受診やVEP:NMOと診断するためには脊髄病変に加え、AQP4抗体が検出されるか、さもなければ視神経炎の存在が必要です
    造影脊髄MRI:典型的には脊髄に3椎体以上にわたる長い病変を認めますが、1-2椎体と短いこともあります。椎体の長さよりも、病変が灰白質(脊髄中心部)であることが重要にも思います
    造影脳MRI:大脳白質では造影MRIにてcloud-like enhancementという特徴的な所見を呈することが知られています。また、視床下部病変によるナルコレプシー、延髄病変による難治性吃逆など特徴的な臨床徴候を示すこともあります。脳病変を有するNMOは、脳病変のないNMOと比較して年間再発率が有意に高いという報告もあります


    脊髄MRIT2強調画像:頚髄、胸髄に多椎体にわたる広範囲の高信号病変が連続して認められます
    NMOのMRIの特徴
    多発性硬化症の脊髄病変とは違い、横断性脊髄炎の臨床像に対応して病変は脊髄中央部に位置し(centrally located long spinal cord lesion: LCL)、その広がりは左右前後に広がっているため矢状断では脊髄中央部に幅の広い病変として描出さます。脊髄にも関わらず時にはring状CEを示すこともあります。
    また,大脳白質では造影MRIにてcloud-like enhancementという特徴的な所見を呈することが知られています。

    MOG抗体について
    NMOで最も重要なAQP4抗体が陰性の場合には、MOG抗体が約20%で検出されるという報告もあります[ref]。AQP4抗体陽性例と比較して、MOG抗体陽性例は、両側性の視神経炎を来すことが多いものの視力障害の程度が軽く、また再発が少ないため予後が良いとも言われています。

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