神経線維腫症 I&II型 診断

神経線維腫症 I型 (neurofibromatosis type 1; NF1, von Recklinghausen病)
参考サイト>GRJ

概要
神経線維腫症I型(NF1、レックリングハウゼン病)はカフェ・オ・レ斑、神経線維腫を主徴とし、骨病変、眼病変、神経腫瘍、そのほか多彩な症候を呈する全身性母斑症です。発生頻度は3000-4000人に1人程度のようです。
常染色体性優性の遺伝性疾患ですが、30-50%は精子/卵子レベルのgenetic mutationによる孤発例と言われています。
NF1遺伝子は17q11.2に存在します。

NF1遺伝子
Neurofibromin蛋白(2818アミノ酸、250kDa)をコードする遺伝子で、oligodendrocyteやSchwann細胞で発現が多いと言われています。Rasを抑えるtumor suppressor geneです。
最近では、RAS関連疾患としてNF1だけでなく、Noonan症候群、LEOPARD症候群などを含めてNCFN(neuro-cardiofacial-cutaneous)症候群と包括する概念も報告されています。
NF1と多発性硬化症(MS)
Neurofibromin蛋白はOligodendrocyteに発現が多いことが関連するかもしれませんが、NF1と多発性硬化症の合併例は、稀ですが報告されています。進行性の経過をとることが多く(PPMS型)、また、視神経病変も頻度は高いようです。

症状
以下のような臨床症状が知られていますが、NF1の臨床像は極めて多彩です。
カフェ・オ・レ斑:扁平で盛り上がりのない斑で、色は淡いミルクコーヒー色から濃い褐色
神経線維腫:思春期頃より全身に多発します
骨病変:骨病変-脊柱・胸郭の変形、四肢骨の変形・骨折、頭蓋骨・ 顔面骨の骨欠損など
眼病変:虹彩小結節(Lisch nodule)、視神経膠腫など
皮膚病変:雀卵斑様色素斑、有毛性褐青色斑、貧血母斑、若年性黄色内皮腫など脳脊髄病変:神経線維腫、 髄膜腫、神経膠腫、脳血管奇形など

検査
脳MRI:NF1の40-80%に、T2WI high、T1WI isoの境界明瞭な病変(Unknown bright object: UBO)が見られ、intramyelinic edemaではないかと想像している論文もあります。好発部位は、基底核、大脳脚、脳幹、脳梁後部、小脳半球白質で、通常は造影効果は見られません。時間とともに消失していく傾向があり、成人例に認められることは少ない傾向にあります。

神経線維腫症 II型 (neurofibromatosis type 2; NF2)
概要
NF2は、両側聴神経腫瘍を主徴として、多彩な多くは良性の神経系腫瘍を合併する遺伝性疾患で、責任遺伝子は第22染色体長腕の22q12にあり、腫瘍抑制蛋白であるmerlin (schwannomin)の発現異常によるとされています

疫学
40,000人に1人の発生率
男女差、人種差はありません
常染色体優性遺伝(遺伝は半数で、残り半数は孤発性)
発症年齢が<25歳未満と若く予後不良な群(Wishart type)と、それ以降発症の比較的予後良好な群(Gardner type)と分けることもあります

診断基準
1. 両側聴神経腫瘍
または
2. 一親等にNF2があり、下記 aまたはbを満たすもの
a. 30歳未満の片側性聴神経腫瘍
b. 右の二つ以上:髄膜腫、神経膠腫、神経鞘腫、若年性白内障

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