ミオクローヌス・ジストニア 診断

概念
ミオクローヌス・ジストニア(myoclonus-dystonia;M-D)は,ミオクローヌス発作とジストニアと組み合わさった症状を特徴とする運動障害で,非常に稀な疾患です。
SGCE遺伝子(OMIM 604149)変異との関連があると言われています

疫学
遺伝性M-Dは、常染色体優性遺伝で10〜20歳で発症します
稀に、高齢発症もあります
女児のほうが男児よりも早く発症します(平均5歳 vs. 8歳)

症状
ミオクローヌス

大部分の症例はミオクローヌスが主症状で、ミオクローヌスが単独でみられる場合と,ジストニアを合併する場合とがあります
典型的な症状は非常に短時間の「電撃様」ミオクローヌス発作ですが,これが単独でみられる場合と軽度?中等度のジストニアを合併する場合があって、通常,上半身に好発するミオクローヌスはしばしば安静時にみられ,姿勢,動作,精神的ストレスにより誘発されたり,増悪したりしますが,刺激で誘発されることはないようです。
よくみられるパターンの1つに,上肢ミオクローヌスを伴い,頚部に好発する体幹性ミオクローヌス(axial myoclonus)があります。下肢ミオクローヌスが認められる症例は約25%です。

ジストニア
症例の約20%はジストニアを初発症状とします
ジストニアがみられる場合,ジストニアは通常軽度?中等度で、症状としては頚部ジストニアと書痙が最も多いようです。時に下肢が侵されて,下肢が初発部位となることもありますが、喉頭ジストニアはほとんどみられません

精神症状
M-D家系の一部では,うつ病,不安障害,強迫性障害,人格障害,噌癖,注意欠如・多動性障害(ADHD)症候群などの精神障害が報告されています

検査

    血液検査:乳酸、ピルビン酸、セルロプラスミン、Cu、赤血球形態に異常がないことを確認します
    脳MRI、脳CT:通常異常を認めません
    眼科受診:異常を認めないことを確認します
    表面筋電図:ミオクローヌス性バーストの持続時間は25-250msec、ジストニアは共同筋群と拮抗筋群の共同収縮や比較的長いジストニア性バーストはジストニア症状がある、身体箇所のミオクローヌスと関連している場合があります
    SEP:C反射やGiant SEPは記録されませんので、ミオクローヌスは皮質下性と考えられます

M-D確実例(defnite M-D)の診断基準

    1. 若年発症(20歳未満)
    2. 上半身に好発するミオクローヌスが,単独もしくはジストニアを合併する形でみられる
    3. 父系遺伝を伴う家族歴がある(「父系遺伝」はSGCE変異または欠失によるM-Dにのみ適用)
    4. 小脳性運動失調,痩縮,認知症など,他の神経学的所見はない。
    5. 脳MRI所見は正常

M-Dを示唆する追加所見

    ミオクローヌスに先行する電位変化を伴わない短いミオクローヌス性バースト(25?250ミリ秒)
    C反射反応(C-reflex Response)は陰性で,巨大体性感覚誘発電位は認めない
    小児期または思春期における四肢ジストニアの自然寛解
    アルコール摂取による改善

鑑別診断

    進行性ミオクローヌスてんかん
    多動性代謝性疾患
    DYT1およびDYT5ジストニアなどの原発性ジストニア
    良性遺伝性舞踏病

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