脳出血 治療

ガイドライン:2007AHA

出血源からの血腫の増大を防ぐのが治療の最大の目的です。ステロイド、血液希釈療法、グリセロール、マンニトールの脳出血に対する効果は現在までの臨床試験では効果がありませんでした。

1.脳外科コンサルト
神経症状が進行し脳幹圧迫/水頭症所見のある3cm以上の小脳出血は血腫除去術をすぐに行わなくてはなりません。また脳表から1cm以内に位置する皮質下出血の場合も脳外科にコンサルトしてください。
2.降圧療法
収縮期血圧200以上の場合、あるいは収縮期血圧が180以上+かつICP(頭蓋内圧)上昇の所見がある場合、160/90mmHgを目標に血圧を下げます。現在血圧低下の目標値設定のためATACH研究が行われています。急性期は1日6回ぐらい血圧測定をしてください。
ヘルベッサー(塩酸ジルチアゼム):10mg+生食10mlをゆっくり静注。以降、心機能に注意しながらヘルベッサー200mgあるいは250mg+生食100mlをつくり5ml/hで持続静注(最大 25ml/h)。徐脈に注意し、必要に応じ減量、中止、硫酸アトロピン1A ivも検討する。
その他、ラシックス20mg静注、ソルダクトン200mg静注など
3.全身管理
A.脳圧コントロール:評価は脳画像、脳室カテーテル以外に経頭蓋ドプラー超音波検査でも評価できるようです。以下の方法が脳圧を下げる手段として考えられますが、第一選択となるほど強い効果があるものはありません。

    頭部挙上:30度以上に上げると脳圧が低下するが頭部はまっすぐにする
    セデーション:挿管症例など、プロポフォール、ミダゾラムなど
    マンニトールなど:ICPは低下し、CPPは増加するが、リバウンドがあり血液量が減少してしまう
    過換気:CO2の目標値は、30-35mmHg
    ドレナージ:脳室からの髄液ドレナージ

B.血糖管理

    140mg/dL以上の血糖値は予後不良因子です

C.けいれん発作

    特にLobar出血ではけいれん発作の合併が高くなることが知られています。治療は重責発作時と同様です。

D.体温管理、感染症の治療

    体温上昇を防ぐことは推奨されますが、一方で低体温療法はICP低下に効果的なものの合併症も多くあまり行われません。

E.深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症の予防

    空気圧式マッサージ器の使用でICH症例での深部静脈血栓の合併率は下がるようですが、抗血栓薬の使用に関する効果のエビデンスレベルは高くありません。

4.その他
ワーファリン内服中の脳出血:PT-INR<1.35-1.5を目標にVitaminK1を静注(ケイツー20mg ivなど)する。ワーファリンの中和に関しては、2018年にはケイセントラ [4F-PCC(II, VII, IX, X凝固因子)]の静脈投与が可能となりました。INRの値によって、投与量が決められています。4F-PCCは半減期が短いために、ケイツーとの併用を行うことで、安定した凝固因子の増加を実現できます。
ヘパリンは量に応じて(量は上記ガイドライン参照)、プロタミンの使用も考慮する。AF、弁膜症などでワーファリンを使用せざるおえない場合、再開は脳出血発症後2週程度経過した時点で考慮する。
血栓溶解療法後の脳出血:血小板(6-8U)、第8因子を含む血漿製剤の投与が考慮されることもあります。

臨床治験
遺伝子組換え活性型第 VII 因子:血友病症例に使用されていて、出血を抑える働きがあります。少なくとも血腫増大抑制効果はありそうですが、長期生存率、機能転機などに対する効果ははっきりしません。

予後不良因子
血糖上昇、ワーファリンの使用、意識レベル低下、体温上昇>37.5℃
予後因子
皮質出血、軽度の神経脱落症状、フィブリノーゲン低値

再発予防
1.高血圧の治療:急性期治療に降圧薬静脈投与した場合、いつ経口に切り替えるべきかということに関するデータはない
2.禁煙、アルコールを控えめにする

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