まず炎症性,感染性,薬剤性,遺伝性などによる筋疾患,運動神経疾患,運動や外傷後などの否定を行ってください.
それらが否定的である場合は,次のような可能性が考えられます.
1. 筋ジストロフィー,筋炎,運動神経疾患などの症状出現前
その後の経過で症状が出現してくるはずで,筋生検で診断がつく場合もある.
2. マクロCK血症
免疫グロブリンとCKが結合し高値を呈する.CKの電気泳動(CKアイソザイム)により診断される.悪性腫瘍や膠原病に伴ったマクロCK血症もあり、時に検索が必要です。
3. 悪性高熱の素因保有者
高CK血症の約半数で素因があるとの報告がある
4. 黒人:正常値が高いらしい
5. 不明
実際には,マクロCKの可能性を検索して,今後何らかの症状が出てくる可能性があるか,悪性高熱の可能性があり全身麻酔時には注意をするように説明することになるでしょうか.
(筋MRIなど低侵襲の検査なら考えますが,症状のない方に針筋電図や筋生検はためらいます)
CK値が「低下」する原因
- 筋肉量の低下
肝炎、肝転移
薬剤性
炎症性疾患
リウマチ性疾患と低CK値
RA、SLE、Spondyloarthropathiesなどでは、血清CK値は正常よりも低値を示すことがあります。機序としては、CK inhibitorの存在、クリアランスの上昇、炎症性プロセス、post-transcriptional modification、酵素分解の上昇などが想定されています。