亜急性硬化性全脳炎 (SSPE) 診断

1. SSPE研究班
2. プリオン病と遅発性ウイルス感染症:最も良くまとまっている教科書です

疫学
国内総患者数は約150人と非常にまれな疾患で、年間発症数5-10人程度です。小児科の疾患でもあり、国家試験ではよく見ても、実際に診療する機会のある神経内科医は殆どいません。
2歳未満に麻疹に罹患した場合や、免疫能が低下している状態での麻疹罹患で発症する可能性があります
発症の好発年齢は学童期で、発症の予防は麻疹ワクチン接種です

臨床症状
初発症状:学力低下、記憶力低下、行動が変、感情が不安定
その他:歩行が下手、持ち物を落とす、ミオクローヌス

経過  Jabbourの分類

    I期:軽度の知的障害、正確変化、歩行障害
    II期:ミオクローヌス、知的障害や歩行障害の悪化
    III期:歩行や摂食できず、自律神経症状、筋緊張の亢進
    IV期:意識は昏睡、ミオクローヌス消失、自発運動消失

診断

    臨床症状
    血清・髄液中麻疹抗体価の上昇、髄液IgG indexの上昇
    脳MRI:大脳白質のT2高信号域(?期以後)や大脳皮質 の萎縮(?期以後)
    脳波:周期性同期性高振幅徐波群発
    脳生検組織:炎症所見、細胞核内封入体、電顕によるSSPEウイルスヌクレオカプ シド、蛍光抗体法によるSSPEウイルス抗原の証明、脳からのSSPEウイルスの分離
    ハイブリダイゼーション法によるSSPEウイルス・ゲノムの脳内における証明
    (PCR法ではSSPEでない者の脳でもしばしば陽性となるので,SSPEの診断にはあまり役立たない)

sspe
脳MRI T2強調画像:大脳皮質の軽度の萎縮と、白質の高信号を認めます
鑑別診断

    早期には,てんかん,心因反応,精神病
    大脳灰白質変性症,特に広義の進行性ミオクローヌスてんかん
    白質脳症,特に副腎白質ジストロフィー
    その他の亜急性及び慢性脳炎

発症機序

    ウィルス側の要因
    麻疹ウィルスの変異株(SSPEウィルス)が中枢神経系に持続感染
    M遺伝子の変異:粒子形成障害をおこす(Mタンパク質;ウィルス粒子の形成と細胞からの遊離をおこす機能)
    F遺伝子の変異:膜融合能の亢進(Fタンパク質;エンベロープ融合に関与)
    宿主側の要因
    IL-4産生が増加して、Th2が増加し抗体産生を促す
    MxAタンパク産生が増加し、ウィルス増殖が抑えられ神経細胞が免疫系から認識されにくくなる

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