1. 治療ガイドライン
治療はもちろん稀な進行型MSを除けば、急性期治療と再発予防治療に分かれます。
急性期治療は、第一選択薬は今でもやはりステロイドが使用されます。ただし、ステロイドが長期的な予後を改善するかどうかは明確な証拠がないため、むやみに使用することは避けるべきと考えます。日本でのみ認可されている血漿交換療法は長期的な有効性は否定的ですので、ステロイドの反応性の悪い場合に限られます。
再発予防治療防は、最もエビデンスが蓄積されているIFN-βを使用し、再発が多いようであれば免疫抑制剤を使用します。近い将来にその他の再発予防薬も使用可能になると予想されます。
急性期治療
1. 高用量ステロイド療法
2クール施行しても効果が乏しい場合、血漿浄化療法も考慮します
2. ステロイド経口投与
短期的、長期的な有効性を示すデーターはありません。上記のパルス療法の後療法として用いられることが多いようです。プレドニゾロン40-60mg/日から徐々に減量し、2-4週間で中止して、再発するようであれば再度ステロイドパルスを行うという伝統的な治療がよく行われます。
3. 血液浄化療法
単純血漿交換隔日3回 1クールなど
再発予防
1. ベタフェロン(IFNβ):800万国際単位隔日、皮下注
アボネックス筋注用シリンジ30μg 週1回投与、筋注(2009年現在治験中)
再発予防効果が乏しい場合には、血中のIFNβ中和抗体を測定します(1年以上使用していた症例はバイエルが測定してくれます)。
IFNβ中和抗体は陰性化することもありますが、持続的に数年間消失しない場合には中止。これらで再発効果の乏しい場合は免疫抑制剤の使用を考慮します。本邦で多いNMOの場合は、IFNβによる増悪例の報告もあり、使用されないことが多いようです。
その他の禁忌、相対的禁忌は>こちら
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2. アザチオプリン:2-3mg/kg/日
3. シクロフォスファミド(内服、あるいは定期的にパルス)
4. メソトレキセート
5. スタチン
6. リツキサン(CD20モノクローナル抗体)
7. ミトキサントロン
進行型MS
治療法は確立されていません。シクロホスファミドのパルス療法が試みられ、有効であったとの報告があります。その他、やはり再発予防と同様にベタフェロンや免疫抑制剤を使用することになります。
- シクロホスファミドパルス
IFNβ
ミトキサントロン
メソトレキセート
リツキサン(CD20モノクローナル抗体)
免疫グロブリン
将来の治療
Fingolimoid(FTY720):FTY720は生体内でリン酸化体に変換され、スフィンゴシン1-リン酸(S1P)受容体アゴニストとして作用することによって、2次リンパ系組織および胸腺からの成熟T細胞の移出を阻止して、免疫抑制作用を発揮します
cladribine (プリン系代謝拮抗薬;ヘアリーセル白血病治療):2-chlorodeoxyadenosine triphosphateが正式名称です。細胞代謝阻害およびDNAの合成・修復を阻害しますが、リンパ球は代謝経路上影響を受けやすいため、CD4+、CD8+およびCD19+細胞数を迅速かつ持続的に減少します
