重症筋無力症 治療

1.重症筋無力症診療ガイドライン 2014

眼筋型で、メスチノンのみでコントロール可能な軽症例は楽ですが、全身型で抗コリンエステラーゼ薬でのコントロールが不良な例はいくつかの治療オプションがあります。さらに主にはクリーゼ(急性増悪時)の時に、血漿交換、免疫グロブリン大量静注療法を行います。

1. 対症療法
抗コリンエステラーゼ薬:コリン作動性クリーゼは注意、説明する。

    メスチノン:作用時間が短く最も使いやすい。1-3錠(60-180mg)/日
    ウブレチド:1日5-20mgを1-4回に群且つ経口投与。効果の持続時間が長い
    マイテラーゼ:メスチノンより効果が強く持続も長い一方で、副作用が強い。半錠5mg朝後より開始し、10mg/日朝昼分2から数日で15mg/日分3へ増量
    ワゴスチグミン:半減期が1時間ぐらいで作用時間が短いので単独でのMG治療には適さない副作用としてムスカリン作用が強いので、硫酸アトロピンと併用して用いられることが多い

2. 胸腺摘出術
重症筋無力症の緩解・改善の可能性を高める治療法として、全身型(眼筋型からの移行例も含む)の場合、胸腺腫の有無にかかわらず施行が望まれます。ただし、初発の場合、血漿交換、IVIg、ステロイド、免疫抑制剤などにより全身状態が落ちついた後に、行うことが多いようです
Sero-negativeのMGでは、胸腺腫の合併がほとんどなく胸腺摘除術の効果を証明したデーターもなく推奨することはできないようです。
眼筋型では、胸腺腫瘍が認められる場合は全身型への移行を予防する効果が期待できるため行うことが多いのですが,画像診断にて腫瘍を認めない場合は効果が明らかでなく,自然寛解することもあり、多くの場合は行いません。
抗MuSK抗体陽性の症例も、胸摘は無効であるので行いません

3. ステロイド
プレドニゾロンが日本では使用されます。少なくとも導入時に高容量(1mg/kg/日以上)を投与すると、少なくとも全身型MGでは初期増悪をきたしやすく、クリーゼを起こす例もあることから低容量からの導入し、漸増が望ましいと考えられます。
胸腺摘出術の前、あるいは術後に行うかどうかは一定した見解はありません。この疾患の場合、副作用を減らすため隔日投与が原則です。が、非服薬日に症状が悪化する場合は、非服薬予定日にも少量のPSLを内服にするか、連日投与にします。
また、重症例ではステロイドパルス療法を行います。
処方例:10-20mg隔日などから徐々に増量(3回投与(隔日の場合は6日間)に10mg増量など)し、1mg/kg/日か2mg/kg/隔日で2-3 ヶ月間の治療量を維持した後、再燃を防ぐため5mg/月以下の割合で漸減する。

4. 免疫抑制剤
ステロイド抵抗性、あるいはSparingのため使用されることがあります。日本ではタクロリムスとシクロスポリンのみが保険適応があります。

    1. タクロリムス(プログラフ)
    3mg を1 日1 回夕食後に経口投与する。副作用の発現を抑えるため、血中濃度(トラフ値:およそ投与12時間後に採血)を20 ng/ml 以下に保つのが望ましい。血糖上昇の副作用に注意!
    2. シクロスポリン(サンディミュン、ネオーラル)
    5 mg/kg/day を2 回に分けての服用するのが標準であるが、腎障害と高血圧に注意が必要で、血中濃度(トラフ値)を100-200 ng/ml にする。血清クレアチニンや血圧が上昇すれば減量する。トラフ値が100 ng/ml 以下になれば3-4 週ごとに1 mg/kg/日増加させる。
    3. アザチオプリン(アザニン、イムラン)
    50 mg/day から開始し、副作用に注意しながら5-7 日間ごとに25-50 mg/day 増量する。通常維持用量は2-3 mg/kg/day。
    その他、エンドキサン、ミコフェノール酸モフェチール、リツキマブ、エンブレル、レフルノマイドなど

5.血漿交換療法
主に急性増悪時に一時しのぎ的に使用する。Ach抗体はIgG1ですので、IAPPで治療します。MuSK抗体はIgG4ですので、単純血漿交換を選択します。
保険適応:発病後5年以内で高度の症状増悪蛍光のある場合、または胸腺摘出術やステロイドが十分走行しない場合に限る。月に7回を限度として、3ヶ月間に限って算定が認められる

6. 免疫グロブリン大量静注療法
主に急性増悪時に使用します。0.4g/kg/日
献血ヴェノグロブリン®IH5%の保険適応が2011年に通りました。効果は血漿交換療法よりは劣る印象があります。

7. 抗補体モノクローナル抗体
ソリリスR点滴静注300mg(一般名:エクリズマブ)
「全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)」の効能・効果および用法・用量が2017年12月25日のクリスマスに追加承認されました。
PNHですでに適応があり、将来的にはNMOにも使用出来ると思いますが、同薬剤につきましては髄膜炎菌感染症の発症リスクが高まることが懸念されること等から、その使用に当たってはとくに留意が必要で、使用前に髄膜炎菌ワクチン(メナクトラ筋注)を打つ必要があります。

7.重要筋無力症に対する禁忌薬の確認
重症筋無力症の禁忌薬>こちら

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