概念
自己免疫的機序による下垂体の非特異的炎症です
- 前葉の炎症はlymphocytic adenohypophysitis
後葉から下垂体柄の炎症はlymphocytic infundibuloneurohypophysitis
と呼ばれます。
妊娠分娩を契機とし前葉機能不全を起こす前者がまず確立されて、尿崩症と関連した後葉の炎症が後に報告されました。
最近では、HLA-A24やIgG4との関連も報告されているようです
鑑別診断
- lymphocytic adenohypophysitis:下垂体腺腫、下垂体過形成
lymphocytic infundibuloneurohypophysitis:胚芽腫、頭蓋咽頭腫、ヒスチオサイト−シス、結核、サルコイドーシス
上段:治療前 Gd造影T1強調画像(造影される下垂体柄の腫大を認めます)
下段:治療後 Gd造影T1強調画像
左:Gd造影T1強調画像、右:T2強調画像
下垂体柄の造影増強効果は目立ちます。一方で、希に脳幹や基底核など大脳実質領域に炎症が及ぶこともあります