抗リン脂質抗体症候群(APS) 治療

はじめに
APSの抗血栓療法はなかなかしっかりとしたエビデンスのある論文がありません。静脈血栓は抗凝固で良いと思いますが、動脈血栓はどうでしょうか。今後のエビデンスの集積が必要です。

静脈血栓症
VTEや肺血栓塞栓症、脳静脈洞血栓症、livedo vasculopathyなど静脈系といえば、APSであっても抗凝固療法ですね。VTEであっても、通常のVTEと違って、6カ月以上の長期間治療することが推奨されています。
1. ワルファリン:INR 2.0-3.0にコントロール
(INR 3.0-4.0へのコントロールによるベネフィット上昇はないようです)

動脈系血栓症
脳梗塞をはじめとした動脈系血栓症です。脳卒中ガイドラインでは、APA陽性患者の脳梗塞再発予防に, 第 1選択としてワルファリンが使用されるが, 十分な科 学的根拠はない(グレード C1)」の記載にとどまっています。実際には抗血小板療法 vs. ワルファリンに関しては、どちらが強い血栓症抑制効果があるかは判明していません。
1. アスピリン、プラビックス、シロスタゾールなどの抗血小板薬
and/or
2. ワルファリン:INR 2.0-3.0にコントロール

妊娠合併症
1. aPLs陽性で、流産の既往がある場合
アスピリン;81-100 mg
2. さらに、血栓症の既往があったり、少量アスピリンが無効の場合
ヘパリン
3. さらに、少量アスピリンおよびヘパリン併用にもかかわらず妊娠合併症を繰り返す場合
少量ステロイドやγグロブリン大量静注療法の報告例もあります

急性動静脈血栓症
1. 血小板2万/μL以下の重症の血栓性血小板減少症を合併した場合
単純血漿交換
2. 凝固線溶異常を伴う場合
ヘパリン製剤や抗トロンビン薬による抗凝固療法や組織プラスミン・アクチベーターによる線溶療法

NOACとAPS
ワルファリンを超える治療効果は今の所報告されていません。幾つか無作為試験が行われているため、その結果が出るまでは使用は推奨されません。

Appendix
aps
日内誌 2010;vol99:1769-より引用 [ref]

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