脊髄性筋萎縮症(SMA) 診断

概念・定義
脊髄性進行性筋萎縮症とはspinal progressive muscular atrophy:SPMAの訳であり、脊髄性筋萎縮症(SMA)とも呼ばれます。主に脊髄前角の運動神経細胞が変性し、全身の筋力低下と筋萎縮が徐々に進行性に悪化する病気です。
脊髄性筋萎縮症は、下位運動ニューロンのみが障害される運動ニューロン疾患の一型で、上位運動ニューロン徴候を伴わないことが、筋萎縮性側索硬化症(ALS)と異なる点です。感覚神経の障害はありません。遺伝子から別の診断として分離された、球脊髄性筋萎縮症(bulbo-spinal muscular atrophy:SBMA)との区別は明確にしてください。

疫学
十分な疫学調査はないが、ALS(人口10万人当たり2?3人)よりは少ない。

病因
近年の遺伝子解析で、乳幼児期に発症する常染色体性劣性遺伝を呈する脊髄性筋萎縮性(Werdnig-Hoffmann病、Kugelberg-Welander病)のうち第5染色体長腕(5q13)に遺伝子座(SMA遺伝子)がある家系が報告されているが、病因は未だ不明である。

検査

    針筋電図
    末梢神経伝導速度検査
    筋生検
    遺伝子検査:SMN、NAIPは東京女子医科大学小児科で測定可能

病型と症状
遺伝性脊髄性進行性筋萎縮症
1) Werdnig-Hoffmann病(I型)
常染色体性劣性遺伝を示す。出生直後から6ヶ月以内に診断され、四肢近位部優位の筋萎縮、筋緊張低下、筋力低下を示す。腱反射は初期には認められるが、後に消失する。筋緊張低下が著しいと乳児として印象的な症状から、floppy infant (ぐにゃぐにゃ児)と呼ばれる。生後2年以内に死亡する。
2) 中間型(II型)
I型とIII型の中間。生後7-18ヶ月で発症し、介助なしに座ることができないが、稀に補助器具で歩くことのできる例もある。細かな振戦が指を伸ばしたり、握ったりするときに認められることがある。
3) Kugelberg-Welander病(III型)
常染色体性劣性遺伝が基本であるが、優性遺伝例も報告されている。3歳以下の発症がIIIa、3歳以降の発症がIIIbとも分類される。児童期から思春期にかけて、下肢近位筋の筋力低下で発症し、筋萎縮、筋力低下、腱反射消失を主徴とする。次第に障害は全身に拡がり、進行性で運動機能が低下する。早期から歩行困難に陥るが、就学、社会生活は10?20年の長期にわたり可能な場合がある。
4) 成人型(IV型)
孤発性で、成人から老年にかけて発症し、緩徐に進行する。多くの場合上肢遠位に始まる筋萎縮、筋力低下、筋線維束性収縮、腱反射低下が見られる。これらの症状は、徐々に全身に拡がり、運動機能が低下する。四肢の近位特に肩甲帯の筋萎縮で初発する場合もある。本型は、経過が長く、末期になっても球麻痺症状や呼吸障害は目立たない。

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