アルテプラーゼによる血栓溶解療法 (脳梗塞)

脳卒中治療ガイドライン 2015:書籍
AHAによる脳梗塞急性期の治療ガイドライン(2013年版)
日本語版NIHSS、modified Rankin Scale、Barthel Index>こちら
日本脳卒中学会:rt-PA(アルテプラーゼ)静注療法適正治療指針
アクチバシン添付文書グルドパ添付文書

1.来院まで
4.5時間以内の治療が現実的か:脳梗塞を疑った場合、発症時刻(発見時刻でなく)が正確に判断できるか救急隊からの連絡の時点で確認、可能性がありそうであれば放射線技師にも連絡
2.病歴、診察
患者が来院したらvital signの確認、モニター装着、救急隊、家族からの病歴聴取、採血、静脈路確保、NIHSS、胸部Xp(縦隔の拡大所見チェック)、心電図、頭部CTあるいはMRIの順に行う。最初の収縮期血圧が185mmHg以上あるいは拡張期血圧が110mmHg以上の場合はMRI前にペルジピン2mg ivを考慮してもよい(5分で効果が発現し4時間持続する)。
特に、急性大動脈解離の有無に関しては、胸部X線以外に、四肢の脈拍触知、病歴(直前の胸痛や背部痛)、身体所見(血圧低下、末梢動脈拍動の減弱や左右差、大動脈弁逆流性雑音)などにより疑う姿勢が必要で、疑いがあれば胸部造影CT、頚部、心臓エコーを考慮します

    脳梗塞以外の疾患の可能性はないか?
    NIHSSを使用した神経学的評価(自動計算NIHSS日本語版
    出血に関連する事項の評価

3.画像診断、適応の判定
CTあるいはMRI:出血の除外と、Early CT signの有無(有なら慎重投与)。MRI DWIで大梗塞(MCA領域の50%以上が目安)でないことを確認。

4.投与へ
インフォームド・コンセント:インフォームド・コンセント用紙
投与直前:投与前に尿意がある場合には尿器での排尿を促す。収縮期血圧 185以上あるいは拡張期血圧 110以上の場合はペルジピン2ml ivし、それぞれ185かつ110未満となるのを待つ。これでコントロールがつかなければtPAの投与は断念する。投与直前にNIHSSも確認し、4点以上の改善があれば投与は見送る。

    投与:アルテプラーゼ 0.6mg(34.8万国際単位)/kg (最大60mg 3480万国際単位)+生理的食塩水
    メインラインは生食500mlを50ml/h程度でキープ。まず10%急速静注し、一時的に生食を全開にして後押しする。残りの90%を1時間かけてシリンジポンプで静注。
    膀胱カテーテル、経鼻胃管、Aラインなどは投与終了30分後までは留置しない

5.投与後の管理

    ICU、SCUへ
    神経症状:NIHSSを1時間以内は15分毎、1〜7時間は30分毎、7〜24時間は1時間毎にチェック。
    血圧:血圧は2時間以内は15分毎、2〜8時間は30分毎、8〜24時間は1時間毎にチェック。収縮期血圧 180以上あるいは拡張期血圧 105以上の場合はペルジピン2ml ivし2ml/h(最大20ml/h)。
    脳内出血:頭痛、悪心、嘔吐、急激な血圧上昇、神経所見の悪化があればtPA投与を中止し、CTで出血の有無をチェックする。出血があれば血圧を140/90以下に下げ、脳神経外科にコンサルトする。

6.超急性期以降

    脳CT(投与24時間後):出血がないことを確認し、アスピリンや抗凝固療法薬を投与する。
    出血性梗塞のriskが高いと判断される場合には発症1週後のCTで出血がなければヘパリンや抗凝固療法薬による再発予防を検討する。

アルテプラーゼ治療に必要なPDFファイル集
NIHSS日本語版
アルテプラーゼ適応チェックリスト
インフォームド・コンセント用紙
アルテプラーゼ投与後管理用紙

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