非薬物療法
2005年の睡眠障害の国際分類では、睡眠関連運動障害(Sleep related movement disorders)の範疇の一つに位置づけられていています。周期性四肢(下肢)運動(Periodic limb movements)がよく見られて、40-60%に家族内発症が見られます。
治療としてL-DOPAやドパミン作動薬が有効であることから,ドパミン系の障害が指摘されています。脳内の鉄欠乏が、ドーパミン系に影響を与えるとの知見もあることから、鉄欠乏との関連も疑われています。
RLSの診断の要点
必須事項(4項目)
1.足を動かしたくてたまらない衝動感と不快感(Urge to move)
2.休んでいたり、じっとしているときに悪化(Worse at rest)
3.脚の運動により軽減ないし消失(Motor relief)
4.夕方から夜に出現ないし悪化(Worse at night)
支持項目
1.家族歴
2.ドパミン作動薬への反応性
3.周期性下肢運動(PLM)の合併
RLS/PLMの原因
特発性
二次性
鉄欠乏
末期腎不全(透析)
妊娠(後期)
リウマチ性疾患
神経疾患:末梢神経障害、脊髄障害、パーキンソン病
外的要因
嗜好品:ニコチン、カフェイン、アルコール
薬物:抗うつ薬、抗ヒスタミン薬、抗精神病薬、リチウム
鑑別診断
- 1.アカシジア
抗精神病薬の投与に起因するもので、感覚症状はあまりなく、昼夜を問わず症状が見られます
2.睡眠関連下肢クランプ(Sleep related leg cramp)
痛みを伴う数秒から数分の筋肉の収縮(攣縮)で、攣縮を起こしている脚に力を加えて正常な肢位を取らせると改善します
3.Painful legs and moving toes
脚の不快感と下肢(特に足趾)の不随意運動からなり、脚の不快感が必ずしも休息時や夜間に悪化するわけではなく、運動による改善も見られません。
4.末梢神経障害や神経根障害
5.その他
下肢血行障害、肢端紅痛症、精神的不安など