アトピー性脊髄炎 診断

概念
アトピー性皮膚炎との関連が示唆されている脊髄炎です。以下のような特徴が報告されていますが、確立された概念ではないと考える方も多く、今後の症例の集積が必要です。

疫学
アトピー性皮膚炎が先行してから脊髄炎を発症(多くが皮膚炎増悪時)することがほとんどで、20-50歳が好発年齢です。経過は、急性〜亜急性に進行して、1週間以内にピークへ達しますが、発症以降は慢性に経過します。
症状

    四肢遠位部の頑固な異常感覚(83.5%)
    四肢腱反射亢進
    筋萎縮:脊髄炎ですので筋萎縮は目立たないと思われがちですが、比較的局所的な筋萎縮をともなった例の報告があります

検査

    血液:ダニ(ヤケヒョウダニやコナヒョウダニ)特異的IgE抗体が高率に陽性(90%)、高IgE血症(88.2%)、末梢血好酸球増多(60%)
    髄液:細胞・蛋白ともに正常のことが多いですが、髄液中IgEが高値(42.9%)、好酸球上昇。その他、IL-9、CCL-11(Eotaxin)、IL1ra上昇の報告があります
    MRI:MRIでの病変が検出できない例も稀ではないですが、頚髄が大部分で特に後方に多い。また、病変の経時的な変動が少ない特徴があるようです
    SEP/MEP:MRI異常がなくてもSEPやMEPでの異常認められることがあります

病理
様々な程度の好酸球浸潤を伴う炎症性病巣。軸索・髄鞘ともに脱落、グリオーシスやマクロファージ浸潤が見られる。病巣にはT細胞がB細胞よりも優位に浸潤し、T細胞の中ではCD8+細胞がCD4+T細胞より優位。血管周囲のCD8+T細胞、CD4+T細胞・B細胞の浸潤、脊髄実質内のCD8+T細胞の浸潤(MSとの違い)。Eosinophil cationic protein(活性化好酸球の産物)の沈着 など

Topic
免疫学的に、アトピー性脊髄炎においてはIL-5などのアレルギーに関連するサイトカインを産生するTh2へのシフトが起こっていると考えられており、Th1病(IFN-γを産生してMφを活性化させる、主に自己免疫疾患)とされる多発性硬化症やHTLV-1関連脊髄炎との大きな違いである。その例として、多発性硬化症では、Th2優位になるような病態(アレルギー疾患や妊娠)では病勢が寛解することが知られている。
しかし最近では、Th2から分化するTh9という新しいエフェクターT細胞が発見され、このTh9がIl-9を産生していると考えられており、アトピー性脊髄炎はTh2病であるアレルギー性疾患の中でも、さらに分化したTh9病といえるのではないかという説が出てきている。

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