CADASIL 診断

概要
Cerebral autosomal dominant arteriopathy with subcortical infarcts and leukoencephalopathyの略で、皮質下性の脳卒中を繰り返す常染色体性優性遺伝性脳動脈病です。第19染色体長腕のnotch3の遺伝子変異により生じる場合が多いと考えられています。

CADASILの症状

    成人発症:(25歳前後に片頭痛,30〜50歳で脳卒中発作が一般的)
    脳卒中様発作:多くはTIAと脳梗塞ですが、出血を来すこともあります
    片頭痛:20-40%が前兆を伴う片頭痛で、これが最初の症状のこともあります。cortical spreading depressionが原因かもしれません
    情動異常:20%に気分障害やapathyを認めて、欝症状を伴います
    皮質下性痴呆:前頭葉徴候、記憶障害、遂行機能障害などなど

検査

    血液検査:凝固異常など多発梗塞を来す基礎疾患の除外を行う
    眼科受診:遺伝性脳小血管病では網膜動脈の狭小化がよく見られるようです
    脳MRI:側頭葉,前頭葉,外包、側頭極に強い白質病変。特に外包、側頭極は特異的です。T2*強調画像、SWIで多数の微小出血病変が主に深部白質や基底核領域に見られます。CAAほどではないですが、皮質の微小梗塞も見られます
    SPECT, Perfusion MRI:アセタゾラミド負荷で血流の著明な増加が見られたとする報告が散見されます
    高次機能検査:WAIS, WAB, 前頭葉機能など
    遺伝子:NOTCH3遺伝子異常
    生検:主には、NOTCH3遺伝子変異が認められない場合に行われます。皮膚や筋肉が用いられます。細小動脈の血管平滑筋の基底層かその周辺に、電顕でオスミウム好性の顆粒状物質(granular osmiophilic material:GOM)を認めます。光顕ではPAS陽性に染色されます。また、Notch3の細胞外ドメインに対する抗体を用いた免疫染色により血管壁に異常沈着の検索
    する方法も熟練した施設であれば有用のようです



脳MRI FLAIR画像:側頭葉極(左)、外包(真ん中)、深部白質(右)に高信号領域を認めます。これに加えて、ラクナ梗塞や微小出血などの血管障害を示唆する所見もあれば完璧です
Notch3遺伝子について

    Notch3は19番染色体短腕(19p13)に座する遺伝子で、33のエクソンから構成され、2321アミノ酸からなる1回膜貫通型受容体です。
    Notch3遺伝子変異は95%以上がミスセンス変異で、エクソン3と4の484塩基に40%以上の変異が集中しています
    小動脈の平滑筋に強く発現し、血管平滑筋の分化や成熟に関連しているようです

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