抗糖脂質抗体、抗ガングリオシド抗体

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はじめに
ガングリオシドは糖鎖部分にシアル酸を含む酸性糖脂質で神経組織の細胞表面に豊富に存在していて、その糖鎖構造の配列に基づいて分類されています。このガングリオシドに対する抗体(抗ガングリオシド抗体)は、Guillan-Barré症候群Fisher症候群などの自己免疫性末梢神経障害の診断マーカーとして有用で、さらにGuillan-Barré症候群の臨床型との関連も少なからずあるようです。
これらの自己抗体が抗原の局在する部位に結合し、補体の活性化やマクロファージなどの炎症細胞浸潤により障害をきたすという免疫学的な発症機序に関与している可能性があります。
また、ガングリオシドは細胞膜でラフトを形成していますが、それぞれのガングリオシドが複合体を形成することがあるようで、その複合体を認識する抗体が病態に関与している可能性も指摘されています。

色々なガングリオシド抗体の構造

Guillan-Barré症候群の臨床型とガングリオシド抗体の関連
上記の参考サイトに詳しく書かれています

代表的なガングリオシド抗体の臨床像
1. 抗GM1抗体:保険適応あり

    Guillan-Barré症候群の中でも、日本や中国に多い急性運動軸索型ニューロパチー(AMAN)でよく見られます。IgG抗GM1抗体の陽性率が高く、Campylobacter jejuniの先行感染が多いことから、Campylobacter菌体外膜のリポオリゴ糖(LOS)とGM1の間の分子相同性が自己抗体産生の機序と考えられています。抗GM1抗体陽性のC. jejuni腸炎後AMANは重篤で後遺症を残しやすいため、抗体の結果を待たずに早期の治療導入が不可欠です。

2. 抗GQ1b抗体:保険適応あり

    Fisher症候群の80~90%に出現して、GQ1bが動眼・滑車・外転神経の傍絞輪部に局在することから、抗原分布と症状の関連性が示唆されています。IgG抗GQ1b抗体は特異性も高いのですが、GT1aと交叉反応する抗体が多いという特徴があります。このGT1aに対する抗GT1a抗体は咽頭・頸部・上腕の筋力低下を特徴とするGBSのサブタイプとの関連があり、ときにFSの3徴候にこれらの筋力低下の合併がみられることがあります。

3. 抗GD1b IgG抗体近畿大学神経内科などで測定可能

    特にDRGの大型神経細胞は、GD1bへの特異性が高いことが証明されてます。そのため、感覚性失調性ニューロパチーを来すことが多いようです。

4. 抗GalNAc-GD1a抗体近畿大学神経内科などで測定可能

    軸索障害型GBS、Amyotrophyなどの臨床型を来します。

5. 抗MAG/SGPG抗体近畿大学神経内科などで測定可能

    抗MAG/SGPG抗体は、IgMパラプロテイン血症に伴うニューロパチーの50%以上で陽性と言われていて、抗MAG抗体陽性例のほとんどは抗SGPG抗体が陽性となります。MAG抗体による末梢神経障害はCIDPと同様に伝導速度の低下が目立つことから、時にCIDPとの鑑別が問題となりますが、CIDPで効果のあるステロイドや免疫抑制剤の効果が乏しく、リツキシマブなどの効果が知られています。鑑別をしっかりしましょう。

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