ジレニア(フィンゴリモド)

概要
今のところ、多発性硬化症の再発予防としての適応があります。
冬虫夏草に含まれる成分が免疫抑制効果があることが発見され、そこから合成されたスフィンゴシンのアナログです。Tリンパ球のS1PR1(S1P受容体1)を内在化させる作用があり、機能的アンタゴニストと考えられています。その他、血管内皮細胞、アストロサイトなどにもS1PR1は発現していますので、これらの細胞への作用もあると類推されます。

用法
ジレニアカプセル 1日1回 0.5mgを経口投与:日本人に対する適切な投与量ははっきりしません。副作用の程度によっては隔日投与など減量することもあります。

副作用
何らかの心疾患がある場合はあまり勧められません

    徐脈性不整脈:初回投与時は外来で内服してもらい6時間はバイタルのチェックを行う必要があります
    QT/QTc間隔の延長
    黄斑浮腫:眼科受診とともに糖尿病やぶどう膜炎の既往の方は要注意
    重篤な感染症:リンパ球数が200/mm^3を下回ったら中止も検討しましょう。VZVの既往、ワクチン歴も必ず聴取。生ワクチンは禁忌です。
    白血球減少:白血球やリンパ球減少のため、連日投与でなく隔日投与にすることもあります。
    EB関連悪性リンパ腫、リンパ増殖性疾患
    肝機能障害
    進行性多巣性白質脳症:非常に稀
    Tumefactive MS再発Tumefactive MSに対しては、本薬剤の投与で返って病変を再発させてしまう報告もありますので、使用は難しいかと考えます[ref]。

心拍数低下の理由
スフィンゴシン1-リン酸(S1P)は心拍数低下作用があるリン脂質です。S1P受容体には5種類のサブタイプがありますが、そのうちS1P1受容体はリンパ球や神経細胞、血管に高発現しています。
S1P受容体の機能的アンタゴニストであるジレニアは、洞房結節に局在しているS1P受容体のシグナル伝達を介して、S1Pと同じ薬理学作用(心拍数低下)を示すことが動物実験で報告されています。もう少し細かく言うと、心拍数低下に関連するイオンチャンネル(GIRK/IKACh:G蛋白質共訳型内向き整流カリウムチャンネル/内向き整流アセチルコリン感受性カリウムチャンネル)を介するようです。

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