パーキンソン病の精神症状(幻覚、妄想)治療

はじめに
パーキンソン病では、しばしば抗パーキンソン病薬の投与に関連して幻覚や妄想が出現します。特に腎機能障害症例へのシンメトレルの投与では幻覚や意識障害が強く出ますので注意が必要です。
軽い症状であれば経過観察でよいのですが、症状が強い場合は薬剤の減量や精神病薬の追加、場合によってはECTが必要になることもあります

原因
ガイドラインに従って治療を行う前に、まずは原因、促進因子の有無を確認しましょう
1. 内因性
 加齢、精神病素因、認知機能障害、Lewy小体病性変化
2. 外因性
 抗パーキンソン病薬、抗うつ薬、過活動性膀胱治療薬(抗コリン薬)、抗ヒスタミン薬、催眠鎮静薬
3. 促進因子
 a) 身体的要因
 感染、脱水、代謝内分泌異常、低酸素、栄養障害
 中枢性神経障害(脳梗塞、脳腫瘍、けいれん、慢性硬膜下出血など)
 運動能力低下(骨折、疼痛、パーキンソン症状の悪化)
 手術、視力障害、アルコール離脱
 b) 社会的要因
 退職、ストレス、身体症状など
 c) 環境要因
 入院、転院などなど

治療法
一般的には、以下の様に治療を行います。抗パーキンソン病薬の減量、精神病薬の追加は運動症状を悪化させることが多く慎重に行う必要があります。ECTは運動症状もまた改善させる可能性があります。
1. 抗パーキンソン病薬の減量:下記のガイドラインに従う
2. 精神病薬の追加

    非定型抗精神病薬
    クエチアピン(商品名:セロクエル):運動症状の悪化があまりないのが利点、DMでは使えない
    リスペリドン(商品名:リスパダール):昔からよく使用されます
    アリピプラゾール(商品名:エビリファイ):dopamine system stabilizer
    オランザピン(商品名:ジプレキサ)
    クロザピン(商品名:クロザリル)
    定型抗精神病薬
    精神科と相談しましょう

3. その他の薬剤
アリセプト、レミニールなどのコリンエステラーゼ阻害薬や抑肝散
4. ECT

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