抗真菌薬:Wiki
第1選択薬は昔からアムフォテリシンB(他の抗真菌薬と比較して直接的な真菌殺傷力を持つ)と5-FCですが、副作用として腎障害が有名です。最近では、リポソーム化アンホテリシン(アムビゾーム®)、デオキシコール化アンホテリシン(ファンギゾン®)などのDDS技術の改良により腎機能障害を低くすることに成功しています。
一方で、腎機能障害があまりに強い場合は、ジフルカンを使用してください。
第一選択(クリプトコッカス髄膜炎、カンジダ髄膜炎はほぼ同様)
アムビゾーム点滴静注用50mg 【大日本住友製薬】(liposomal amphotericin B; L-AMB)
1日1回3 to 4mg/kgをゆっくり点滴静注(投与方法はしっかりと添付文章を確認ください)
効果が乏しい場合は、6mg/kgまで増量可能
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アンコチル(フルシトシン: 5-FC) 25mg/kg/回 1日4回経口
アンビゾーム以外には、以前は以下の製剤も使用されていました。
アムホテリシンB(ファンギゾン; d-AMPH; アムホテリシンBデオキシコール酸(d-AMPH))1日1回 0.25mg/kg 6時間でゆっくり点滴静注 翌日より0.5-1.0mg/kgへ漸増。必ず500ml以上の5%ブドウ糖に溶解してください。
第二選択
ジフルカン 400mg/日 1日1回経口、経口不可能なら静注
その他
イトリゾール(イトラコナゾール) 200mg/日 1日1回 食直後経口
ブイフェンド(ボリコナゾール) 初回のみ12mg/kg/日分2、翌日より6-8mg/kg/日分2でゆっくり点滴静注。状態が落ち着いていれば、1週間を目安に経口400-600mg/日分2への切り替えを考慮する
クリプトコッカス髄膜脳炎の場合、臨床症状が改善し、髄液のクリプトコッカス抗原が陰性化したら、ジフルカンの内服に切り替え、比較的長期間使用します。
脳圧亢進
脳脊髄液圧が250 mmHsO以上あり、脳圧亢進症状を認める場合には腰椎穿刺による髄液ドレナージを行うこともあります。おおよそ50%程度の低下を目標にします。