ファブリ(Fabry)病 診断

参考サイト
明治薬科大学臨床遺伝学講座
GeneReview Japan Fabry病

概念
リソソームに存在する加水分解酵素の一種、α-ガラクトシダーゼの活性が低下し、糖脂質のセラミドトリヘキシド(CTH)が分解されずに全身の臓器や組織に沈着することにより、中枢神経、末梢神経、皮膚、腎臓、心臓などの臓器障害を引き起こします。
伴性劣性遺伝、alpha-galactosidase (a-GAL) 遺伝子 (GLA)の変異が原因ですが、現在は酵素補充療法が可能です。

症状
伴性劣性遺伝ですのでヘミ接合体である男性は小児や若年時から比較的特徴的な臨床徴候を示しますが、ヘテロ接合体の女性は1つの臓器異常のみの場合や症状が軽く見逃されやすいため注意が必要です。女性の場合も角膜混濁は比較的検出されることが多いようです。

    脳血管障害:40歳以降に多く発症します。遺伝性小動脈疾患の一つとしても有名です[総説]が、稀にlarge vesselの病変の原因にもなるようです
    末梢神経障害:小径有髄繊維優位に障害され強い痛みを自覚します。運動、疲労、ストレスにより増悪します。
    自律神経障害:小径無髄繊維優位の障害を反映して、無汗症などなど
    眼症状:白内障、角膜混濁
    難聴
    心機能障害:左室肥大、肥大型心筋症、心弁膜障害、不整脈
    腎機能障害:蛋白尿、腎不全
    腸管障害:嘔吐、下痢、便秘、腹痛、アカラジア
    皮膚障害:被角血管腫、低汗症

検査

    血液検査、遺伝子検査:男性の場合は血清中のGLA活性で診断がつきますが、女性の場合は血清中のGLA活性低下が強くなく、生化学的検索、遺伝子検査が必要になります(リプレガルの販売元の大日本住友製薬と連絡を取ります)
    脳MRI:小血管病変、微小出血、T1強調画像での視床後部の高信号(pulvinar sign)。脳低動脈の拡張、蛇行。
    末梢神経伝導検査、生検:small fiber neuropathyになります
    心エコー
    腎機能検査、生検

女性Fabryについて
男性患者はヘミ接合体であるため、酵素活性低下が強く症状も強いため比較的診断可能ですが、ヘテロ接合体である女性はもちろんX染色体が2本あります。胎生期に各細胞内の一つのX染色体がランダムに賦活化されるX染色体不活化(ライオニゼーション)により、症状は軽症で、かつばらつきがあり疑うことも難しいことがあります。

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