トキソプラズマ脳炎 診断

概要
トキソプラズマ症(Toxoplasmosis)は人畜共通感染症で、Toxoplasmagondii(T.gondii) の感染によって発症すします。T.gondiiは胞子虫類に属する細胞内寄生性の原虫で、ネコ科の 動物の腸上皮で有性生殖を行い、糞便中に排出されたオーシスト(oocyst)あるいは食肉中の嚢 子の経口摂取から感染が起こります。
T.gondii感染は通常無症候性感染ですが、先天性感染や免疫 不全状態では様々な重篤な症状を引き起こしす。AIDS患者の場合、大部分は CD4陽性リンパ球数 が100/μl 未満に低下したときに、慢性潜在性に感染していたT.gondiiが再活性化して発症します。T.gondiiは中枢神経系においてもっとも再活性化しやすく、AIDS患者でみられる中枢神経系の日和見感染症のうち、もっとも頻度が高いものがトキソプラズマ脳症(Toxoplasmic encephalitis)のようです。

臨床症状
発症の様式は、急性のものから亜急性、慢性の経過をとるものまで様々で、初発症状も様々で、頭痛、意識障害、発熱に加え、神経学的局在症候としては片麻痺、小脳性運動失調、脳神経麻痺など病変部位に応じて出現します。脳以外の臓器では眼と肺が侵されることもあります。神経梅毒のように以下のような病型に分けることもあります。

    脳症型
    脳髄膜炎型
    腫瘤形成型

診断
血清学的検査
トキソプラズマ IgG (EIA)、IgM(EIA)、トキソプラズマ抗体(PHA)などを提出してください。ただし、抗体は必ずしも上昇しない場合もあります。
脳脊髄液検査
蛋白は軽度から中等度上昇、糖は正常から低下し、多くの例で 細胞数は単核球優位に軽度増加します。PCR法による脳脊髄液中の T.gondiiDNAの検出は特異度が高くお勧めです
画像診断
MRI
病変は多くの場合多発性で、約90%の症例でリング状の造影または増強効果がみられます。病変は浮腫及び占拠効果を伴い、皮質、皮質?髄質境界部、基底核などに認められることが多いです。つまり鑑別として、クリプトコッカス症 cryptococcosis、ヒストプラズマ症 histoplasmosis、アスペルギルス症 aspergillosis、結核症 tuberculosis、トリパノゾーマ症 trypanosomiasisなどの感染症、原発性および転移性脳腫瘍、悪性 リンパ腫などが鑑別疾患となります。
しかし免疫正常の場合(Immunocompetent)、このような典型的な造影効果をとらない場合もあり注意が必要です。
タリウムSEPCT
特にring-enhancementを伴う病変の場合、悪性リンパ腫との鑑別が難しくなりますが、その場合はタリウムSPECTが鑑別に有用の時があります。201Tl SPECTでは、早期像にて Tlの集積亢進がなければ悪性リンパ腫は否定的ですが、早期像にて201Tlの集積亢進があり、さらに retentionindexも高い場合は悪性リンパ腫、早期像にて 201Tlの集積亢進があっても、retentionindexが低い場合は本症を含む非悪性病変の可能性が高いとされています。

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