Pelizaeus-Merzbacher病 診断

東京女子医科大学でPLP遺伝子検索が可能です

概念
白質脳症を来たす先天性疾患の一つで、ミエリン形成不全が原因ですが、X染色体上のPLP1遺伝子が原因の、X劣性遺伝性(XR)の遺伝性疾患で、多くは染色体重複や点変異が原因として見つかります。
さらに、60-70%ではgenomic rearrangementによりPLP1遺伝子を含む領域が重複を起こして、Point mutationの場合よりも軽症の傾向があり、classic formの臨床型をとることが多いようです。
Point mutationsは20%程度で、多くは重複よりも重症のことが多いようです。点変異のほうが重症となる理由については、変異蛋白の毒性によるものと考えられています。
その他、truncationやnull mutationも少数知られています

症状
症状は非常に多彩で、出生早期から重症として発症するものから成人して通常の職業に就いている例もあります。
臨床型として、現在は主に以下の二つに分けることが多いようです。

    Classic form
    筋緊張低下、眼振、運動発達の遅滞が生後一年以内に生じて、その後、眼振はしばしば消失します。失調・舞踏アテトーゼ様運動も見られます。精神運動遅滞に関しては、10歳程度までは緩徐に発達を示し、その後は徐々に増悪し、典型的には成人中期に死亡します病理像ではtrigoid dysmyelinationを示し、それに対応したMRI像も検出されます
    Connatal form
    Classic formよりも重症であることが多く、先天的な精神運動発達停止があり、重度の神経学的異常見られます。摂食障害、四肢の近位の痙縮による進行性の拘縮が生じますが、てんかんはまれです。生後10年以内に死亡することが多く、脳全体のミエリン形成が欠失していることが多いようです。

検査

    遺伝子検査
    脳MRI
    他の白質脳症の原因疾患の除外

病態
PLP1遺伝子はオリゴデンドロサイトが産生するミエリン構成蛋白のうち最も量が多いphospholipid protein 1(膜蛋白)をコードしています。このため、本疾患ではミエリンが正常に形成されません。
病理所見としては、

    大脳白質においてミエリン髄鞘の欠失または減少がみられる。側脳室周囲のほうが皮質直下よりもより障害されやすい
    軸索を含む神経細胞の構造はよく保たれている
    通常よりも薄いミエリンの島状構造がpatchyにある(“trigoid”)

などが特徴です

その他
Spastic Pareplegia 2:PLP1遺伝子の異常が原因で、PMDとallelicであることが証明された。症状がPMDと連続している。生後1年の間は、運動は正常発達を示す。生後2-10年で下肢の筋力低下と痙性が進行性に増悪する。眼振、視神経萎縮、失調、構語障害、精神遅滞を伴うことがしばしばみられる(complicated formと呼ばれる)。Spastic diplegiaのみの場合、pure formと呼ばれる。

Pelizaeus Merzbacher like diseaseについて
Pelizaeus Merzbacherと臨床症状は類似しますが、原因遺伝子や遺伝形式がことなります。本疾患は、常染色体劣性遺伝で、GJC遺伝子異常による疾患です。
多くは乳児期に発症して、10歳以前には退行が出現しますが成人発症型の報告もあります。
MRI:T2WIで皮質直下から白質に内部均一な高信号変化や斑状散在性の等信号域。橋にもT2WIで高信号変化(初期は底部、その後被蓋へ)
検査所見:MRSでは特異的な所見はないようです

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