頸動脈内膜剥離術(CEA)、ステント留置術(CAS)

頸動脈内膜剥離術(CEA)
日本人は内頚動脈、外頚動脈分岐部が欧米人と比較して高位にあることが多く、CEAは難しいことも多いのですが、CASと比較して液状化プラークを含め合併症や塞栓症のリスクが低い印象があります

    70%以上の症候性狭窄例に対して適応(50-69%はacceptable but no proven)
    50%以上の症候性狭窄病変及び60%以上の無症候性狭窄病変については十分なリスク評価のうえで適応

頚動脈ステント留置術(CAS)
CEAと同様の有効性があり、日本でも2008年4月に保険適応となりました
基本的には、CEA高リスク群(うっ血性心不全III/IV度、重度左室機能不全、不安定狭心症、6週間以内の開胸術、対側頸動脈閉塞、Tandem lesion、Slim sign、対側の喉頭麻痺、頚部放射線治療後、CEA後の再狭窄、高位頸動脈病変または鎖骨下病変、重度肺疾患、高齢者[>80歳]、重度の肥満、進行脳卒中、頻発するTIA)で、以下のような場合が適応になるかと思います。
ただし、CEA高危険性群イコールCAS適応と考えるのではなく、CASでもCEAでもともに危険な病変があることは認識しておく必要があります。

    症候性狭窄病変 NACET50%以上
    無症候性 80%以上

CAS周術期の塞栓症に関しては、術前術後の抗血小板薬は必須です。アスピリン+プラビックスが成績が良いようです

    CAS高危険群
    不安定プラーク、血管内血栓、高度石灰化、低血圧で悪化する循環器疾患、近位あるいは遠位の屈曲、アクセス不能例

Cerebral hyperperfusion syndrome (CHS;過灌流症候群):Wiki
carotid endarterectomy(CEA)術後だけでなくcarotid stenting (CAS)術後にも起こることが知られています。
CHSは、発症率は低いもののひとたび発症すると重篤な脳内出血を引き起こす可能性があり、cardiac eventを除くCAS/CEA術後死亡の50%を占める重篤な合併症です。そのため早期に診断し、血圧管理など迅速な治療を行う必要があります。
症状:頭痛、けいれん、遅発性脳出血
危険因子:術前に脳循環予備能が低下している、側副血行路が乏しい、悪性高血圧、脳梗塞から時間がたっていない などの例で頻度が高いと言われています。
治療:血圧硬化療法、沈静
それでもコントロールが難しい場合は、挿管、麻酔剤投与の上、厳重な血圧、呼吸管理を行います。

CEA手術時の合併症
舌下神経損傷
舌下神経は頸動脈の分岐部のやや末梢部で内頚動脈、外頚動脈を横断するように走行しています
上咽頭神経損傷
迷走神経下神経節から出て、頚動脈分岐部の内側を走ります。この損傷により高率に嗄声を生じます
迷走神経の損傷
反回神経麻痺を来した場合は嗄声を生じる嚥下障害はない

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