SPECT 概要

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脳血流SPECTのトレーサー

99mTc-ECD
IMPに比較すると定量性はすぐれません。99mTc-HMPAOと比較すると血中放射線の値が低くバックグラウンドが少ないためよりコントラストの高い画像を得ることができます。
しかし、脳梗塞の早期において他の脳血流検査にて血流の残存が認められる部位において、このトレーサーでは欠損として描出されることがあることが知られています。これは、Retentionに働く酵素であるエラスターゼが脳血管障害においては早期に減少するためであると考えられています。
すなわち、脳梗塞急性期の組織のViabilityの評価にも有用であると考えられます。

123I-IMP(N-isopropyl-p-[123I]iodoamphetamine)
定量性に優れ、局所脳血流の比較がしやすい利点があります。したがって、ダイアモックス負荷SPECTの場合も、このトレーサーが好まれます。神経変性疾患におけるeZIS(イージス;easy Z-score imaging system)などによる定量にも使われます。
動態:静注後30分ころから約30分間はほぼ一定の値となり、その後徐々に減少します。初回脳循環における脳組織への摂取率(extraction fraction; EF)は90%以上と高く、脳血流と集積率の間の直線性が非常に優れているため、軽度の血流変化の描出能に優れています。

99mTc-HMPAO
Tc製剤であるため比較的多い放射能を投与できることやエネルギーがガンマカメラに適していることから高分解能の画像を得ることが可能で、小病変や深部組織の描出に優れます。

201Tl-SPECT
腫瘍や炎症性病変に取り込まれ、悪性リンパ腫やトキソプラズマ病変をRetention indexを用いて評価します。

負荷SPECT
ダイアモックス負荷試験
炭酸脱水素酵素阻害薬であるアセタゾラミド(ダイアモックス)は強力な脳血管拡張作用を有し、正常脳では局所脳血流が50-80%増加します。一方で、脳の代謝、血圧、呼吸、脈拍などにほとんど影響を与えないことから、脳血管反応性(脳循環予備能)を評価するためによく使われます。
具体的には、脳主幹動脈に高度狭窄や閉塞などの病変が存在する場合に脳循環予備能をみることが多いと思われます。
つまり、ダイアモックス負荷により正常側の脳の血流は上昇するものの、狭窄病変側の増加はない場合、血流の左右差がダイアモックス負荷により増加します。その場合は、血行再建術も考慮することになります。
また、両側の内頸動脈に強い狭窄がある場合は左右差が見られないこともありますので、椎骨脳底動脈系で潅流される小脳や後頭葉と対比する場合もあります。

spect
右内頚動脈高度狭窄例のダイアモックス負荷SPECT (IMP)
上段:ダイアモックス負荷前、右内頚動脈領域は左に比べると低下しています
下段:ダイアモックス負荷後、ダイアモックス負荷により狭窄病変のない左大脳半球の血流は増加していますが、狭窄病変のある右内頚動脈領域の血流上昇は乏しくなっています。このように、血流上昇具合に差がある場合は、CEAやバイパス術のよい適応になります。

SPECTデーターの定量法認知症のSPECT
SPECTのデーターを一般正常人の脳の大きさに補正して、様々な部位の血流低下の有無を定量的に判断するプログラムが開発され、特に神経変性疾患の診断に威力を発揮しています。
また、VSRAD法で脳MRIを施行した場合、SPECTデーターを重ね合わせることができ、脳萎縮による測定値の誤差を補正して定量することが可能となります。
(1)SPM(Statistical Parametric Mapping)(SPM99、SPMwindows、etc)
(2)eZIS(イージス;easy Z-score imaging system)
(3)3DSRT(3-dimensional stereotaxic ROI template)

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