細菌性髄膜炎 (Bacterial meningitis) 診断

細菌性髄膜炎の診療ガイドライン (書籍)

くも膜下腔への細菌感染によるもので、いまだに致死率の高い疾患です。中耳炎、副鼻腔炎、感染性心内膜炎などの菌血症、肺炎、脳手術後などにより脳に細菌が浸潤すると考えられています。成人の髄膜炎の起炎菌は以下の三つが有名です。

  • 肺炎球菌:耐性菌が問題となっている
  • 髄膜炎菌
  • インフルエンザ菌
  • リステリア:髄液の単核球有意の増加が見られることが多く、脳神経症状も多い

症状
発熱、頭痛、嘔吐、意識障害など。髄膜刺激症状もしばしば陽性になります。

検査
髄液:多核球有意の細胞増多、蛋白上昇、糖は著減しますが、髄液検査より前に抗生剤が他院などで投与されている場合は単核球優位であっても否定できません。
起炎菌の同定は以下のものを行ってください

  • 血液培養、髄液培養:感受性の結果も重要です
  • 尿中肺炎球菌抗原検出キット:すぐに結果が出てとてもお勧めです
  • ラテックス凝集反応やPCR:肺炎球菌、髄膜炎菌、インフルエンザ菌で可能ですが、その他細菌性以外の感染症のものも疑われる場合には、適宜抗酸菌PCRやクリプトコッカス抗原、ADAの測定なども
  • 脳波:てんかん波や徐波のBurstがあれば、アレビアチンの投与を
  • 造影MRI、CT:髄膜の造影増強効果が有名ですが、拡散強調画像(DWI)も軟膜の異常所見の検出に鋭敏で必ず施行してください。造影ができない場合は特に必須です。脳梗塞や脳室炎の合併、膿瘍の有無を確認するためにも必須の検査です。
  • 心エコー、胸部CT、副鼻腔、中耳の検査:特に膿瘍の検索をして、膿瘍があれば外科的治療の必要があります

髄膜炎と脳梗塞
細菌性では特に肺炎球菌が、凝固カスケードの変化や血管内皮細胞機能の障害によって脳梗塞の出現頻度が高いようです。また、Virchow-Robin腔に細菌が入り込むことがあり、脳虚血の原因になりうるように思いますし、一方で、主幹動脈が閉塞するような大きな脳梗塞を合併することもあります。
その他、細菌ではなくクリプトコッカス髄膜炎(ラクナ梗塞が多い)や結核性髄膜炎(基底核領域が多い)でもしばしば脳梗塞の合併が報告されています。

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください