髄腔内バクロフェン投与(ITB) 治療

はじめに
痙縮の治療としては、最も効果の高いものです。GABA B受容体作動薬であるバクロフェンは髄液移行性が悪いため経口薬での効果が乏しく、髄液中に直接、持続的に注入することにより高い治療効果を得ることを目的とします。
一方で、痙縮は体幹の支持性にも関与しているため、痙縮が有害と判断されたときのみ使用してください。

1.スクリーニング検査
まず、バクロフェン注入ポンプを体内に埋め込む前に、バクロフェンをワンショットで髄注し、痙縮に対する治療効果を客観的に評価します。
Ashworth評点により評価しますが、可能であれば評価者は数人別々に評価するべきと考えられますし、自覚的に改善しているかも重要です。
投与量は50μgが一般的ですが、効果を見ながら適宜増減します。50μgという投与量は比較的多い量ですので、下肢の弛緩が強い場合もあり注意が必要です。

2.ポンプ植込手術
スクリーニング検査で効果がある場合、腹部皮下、筋膜下にポンプを埋めこみ、カテーテルを髄腔内に挿入します。
ポンプには、約3ヶ月ごとに薬液を補充しますが、経皮的にポンプ中央のシリコンポートを注射針で穿刺して補充します。投与量は内蔵コンピューターを操作し変更可能ですが、ポンプのバッテリー寿命は6-7年で、バッテリーが切れた場合にはポンプ入れ替え手術が必要となります。

合併症
1.離脱症候群
突然投与が中断されると痙縮の増悪とともに、精神症状、痙攣発作、筋硬直、高熱、横紋筋融症が引き起こされる恐れがあります。バクロフェンのワンショット投与、髄注の再開を行い。バッテリー切れ、カテーテルの抜けや切断などを確認する必要があります。
2.過量投与
めまい、ふらつき、傾眠傾向などの意識障害、呼吸障害など。投与量調節が必要です。
3.感染症
もちろん、感染症の合併症はあります。強い感染症の場合には摘出が必要です。ただし、1.の離脱症候群を起こさないように投与量を漸減してから摘出します。

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