コレステロール結晶塞栓症 (Cholesterol crystal embolization: CCE) 診断

概念
コレステロール結晶塞栓症 (Cholesterol crystal embolization : CCE) は、全身性の心血管系疾患の1つで、カテーテル操作や抗凝固療法などの機械的および化学的損傷が誘因となって、大血管に存在する粥状硬化巣とそれを覆う防御的血栓が損傷されて、その構成成分であるコレステロール結晶が飛散して全身の末梢小血管を塞栓しすることによって、多彩な臓器障害をきたす疾患です。
つまり、強い粥状硬化病変を持つ方が、何らかの操作後に、皮膚症状と腎機能障害が出現するときに強く疑われます。
非常に危篤で予後不良になる可能性が高いようです。

原因

    大動脈の手術操作
    心臓、大動脈、頸動脈などの大血管カテーテル操作
    抗凝固療法
    血栓溶解療法

症状

    皮膚:Livedo reticularis、blue toe syndrome(最も早期に検出できる臨床徴候として重要です)
    腎臓:急性から亜急性腎不全(皮膚症状に加え、腎機能障害の出現があるとかなり疑われます)
    :一過性脳虚血発作、脳梗塞
    心臓:心筋梗塞
    消化器:腸管の出血、虚血、潰瘍形成など
    その他:発熱、筋痛などの血管炎症状に似た症状、膵炎、副腎不全などなど


Blue toeの写真(内科専門医セルフトレーニング2016より抜粋):足趾が青色~紫色に変色しています。

検査
もちろん有症状臓器の詳しい検索は必須ですが、その他一般的な検査として以下のようなものが必要です

    血液検査:好酸球が上がる例が多いようです。その他、赤沈/CRP上昇、補体低下などの炎症所見、コレステロール上昇、腎機能障害
    尿検査:蛋白尿±血尿
    生検:症状のある臓器(皮膚、腎臓、筋肉)から行いますが、コレステロール結晶が検出できない場合もしばしばです

病態
末梢血管に存在するコレステロール結晶(50-200μm)は、好中球、好酸球、マクロファージ、血小板に囲まれ炎症を来します。引き続き、血管内皮細胞が活性化し血栓傾向を来します。最終的には線維化を来します。
生検標本で、コレステロール結晶を検出するのはなかなか難しく、特殊な標本処理が必要のようです。

鑑別診断

    造影剤による腎機能障害
    虚血性腎不全
    Thrombotic thrombocytopenic purpura (TTP)
    感染性心内膜炎

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