TIAの治療目的は脳卒中の予防です。基本的には、入院して安静、バイタル管理を行いつつ、以下の治療を導入することをお勧めします。
AHA/ASAでは、以下の条件を満たす場合はTIA患者を入院させるのが合理的と推奨しています(Class II)
- 1.ABCD2 score ≧3
2.ABCD2 score 0~2で外来患者として診断に必要な検査が2日以内に終了するのが不確実な場合
3.ABCD2 score 0~2で発作は局所脳虚血によるとする他のエビデンスがある場合
内服治療
抗血小板薬、抗凝固薬
-
1. アテローム血栓性が原因と考えられる場合
第一選択薬
アスピリン+クロピドグレル:
プラビックス 300mg/日(初日のみ)、以降 プラビックス 75mg/日内服
+
アスピリン 75-100mg/日内服 投与3週間後に中止
CHANCE研究で効果が認められた短期間抗血小板薬併用療法です。一方で、この2剤の長期の併用は出血の副作用が増加することから、併用する場合でも3週間以内にとどめるべきです。
第二選択薬
- プラビックス
アスピリン
プレタール
2. 心房細動など心原性と考えられる場合
ヘパリン後に、ダビガトラン or イグザレルト or エリキュース or ワーファリン
その他、頚動脈解離、卵円孔開存(PFO)に深部静脈血栓症または心房中隔瘤を合併している、脳底動脈の紡錘状動脈瘤、などの特殊な状況では、ワーファリンが使用されることもあります
その他
高血圧、高コレステロール、喫煙、糖尿病などをコントロール
外科的治療
- 頸動脈内膜剥離術(CEA)
ステント留置術(CAS)
弁膜症に対する外科治療
難治性持続性心房細動に対するアブレーション治療
など