シクロスポリン、タクロリムス(FK-506) 治療

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はじめに
細胞内結合蛋白であるシクロフィリンに結合して、T細胞のカルシニューリンと競合的に結合して活性化を阻害することで、T細胞活性化やサイトカイン産生を阻害して免疫抑制効果を発揮します。シクロスポリンは真菌の培養液中より得られた環状ポリペプチドで、世界で初めて応用されたカルシニューリン阻害薬です。
この薬剤は免疫抑制効果を期待できる血中濃度と、腎障害などの副作用が出現する可能性のある中毒域との差が狭いことから、トラフ値の測定が不可欠です。
FK-506(タクロリムス)も同様にカルシニューリン阻害作用により免疫抑制を来します。またIP3やリアノジン受容体を介した作用も知られています。

ネオーラル、サンディミュン (シクロスポリン) 通常1日量5mg/kgを1日2回に分けて経口投与(効果が見られた場合は徐々に減量して、維持量は3mg/kg)
トラフ値:200ng/mLを超えないように調節する
5 mg/kg/day を2 回に分けての服用するのが標準ですが、腎障害と高血圧(その他、歯肉肥厚、多毛、脂質異常症)に注意が必要で、血中濃度(トラフ値)を100-200 ng/ml に調整します。
血清クレアチニンや血圧が上昇すれば減量する。トラフ値が100 ng/ml 以下になれば3-4 週ごとに1 mg/kg/日増加させる。
サンディミュン吸収不良状態の症例では、ネオーラルへ切り替えた場合CyAのAUCやCmaxが上昇し、より一層の効果が期待できる

併用禁忌薬 生ワクチン(インフルエンザワクチンは不活化ワクチンなので投与可能ですが、効果は弱くなります)、タクロリムス、HMH-CoA還元酵素阻害薬(リバロ、クレストール)、エンドセリン受容体拮抗薬(トラクリア)

タクロリムス(プログラフ) 3mgを1日1回夕食後に経口投与
副作用の発現を抑えるため、血中濃度(トラフ値:およそ投与12時間後に採血)を5-10 ng/mlに調節します。血中濃度はCYP3A5遺伝子多型に影響されます。
副作用
下痢、血糖上昇(膵臓β細胞破壊作用)、腎障害、筋痙攣、低マグネシウム血症、末梢神経障害、振戦

併用禁忌薬 生ワクチン(インフルエンザワクチンは不活化ワクチンなので投与可能ですが、効果は弱くなります)、シクロスポリン、HMH-CoA還元酵素阻害薬(リバロ、クレストール)

タクロリムス血中濃度が低い場合の工夫

    食事1時間前に内服
    グレープフルーツと一緒に内服:Ca拮抗薬との併用は避ける
    降圧薬をCa拮抗薬(カルブロック、コニール、アダラート)へ変更する:CYP誘導
    PPIをランソプラゾール、オメプラゾール、シメチジン
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