Eaton-Lambert症候群 (LEMS) 診断

概念
神経筋接合部でのアセチルコリンの放出障害で、肺癌の小細胞癌に随伴する腫瘍随伴症候群に属します。中年以降の男性が多い。診断は類縁疾患の重症筋無力症と違って眼症状が目立たないことも多いことから神経内科上級レベルです。
末梢神経伝導速度検査ではCMAPの振幅が低下することから末梢神経障害と、また小脳失調が前傾に立つ亜型(PCD-LEMS)があることから小脳変性症やWernike脳症などと誤診されることもしばしばあります。
必ず、筋の強収縮後に筋力が改善したり、深部腱反射が強収縮前より亢進する(post-tetanic potenciation)など確認しましょう。この様な現象は本疾患以外には見られません。

原因
腫瘍随伴症候群 (特に肺小細胞癌)
腫瘍に対する抗体がシナプス前のカルシウムイオンチャネル VGCC と交差反応を生じ、これを破壊します。
つまりVGCC に対する自己抗体が原因となります。 神経終末でのCa チャネルを阻害するためアセチルコリンの放出が障害されますが、重症筋無力症と異なり筋側のアセチルコリン受容体 は正常です。 自律神経のカルシウムイオンチャネルが損傷されるため、自律神経症状も高率に合併します。

症状
筋力低下 :眼症状や球症状の合併は稀で、近位筋優位の筋力低下が頻度が高いように思います。ただ、反復運動で一過性に筋力が増大します。
易疲労性
自律神経障害:口渇、インポテンス、発汗異常
小脳失調症状
深部腱反射低下(反復運動後は亢進)

検査所見

負荷試験:アンチレクスはMGほどの劇的な症状の改善は見られませんが、注意深い観察によって改善が観察されることもあります。サクソン試験による唾液分
泌量の低下は、LEMSの自律神経系の評価として最も有用です。
H-M test: 低頻度で waning phenomenon、高頻度で waxing phenomenon
3, 4-diaminopyridine(3, 4-DAP)で症状、筋電図の改善が見られる
末梢神経伝導速度検査:CMAP振幅が低下しますが、20秒間の強収縮後のCMAPが明らかに増大します(postexercise facilitation)
自己抗体:抗VGCC抗体、抗glia核抗体、PCD-LEMSタイプでは、GRP78抗体が検出されてBBB破綻に関与していると報告されている [ref]
肺小細胞癌検索:60%に肺小細胞癌の合併があります。胸部造影CT、PET、腫瘍マーカー(ProGRPと神経特異的エノラーゼ (NSE) )。その他、悪性リンパ腫、白血病、胸腺腫など

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